研究課題/領域番号 |
12671921
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
越後 成志 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (70005114)
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研究分担者 |
橋元 亘 東北大学, 歯学部・附属病院, 助手 (30323033)
森川 秀広 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (60302155)
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キーワード | IL-18 / 抗腫瘍効果 / NK細胞 / IFN-γ / 樹状細胞 / CTL / innate immunity / specific immunity |
研究概要 |
我々はIL-18の抗腫瘍効果、特にその詳しいエフェクター細胞に関して解析を行った。 ノーマルマウスの肝臓よりリンパ球を分離し、表面抗原を抗CD3、抗NK1.1抗体で染色後、フローサイトメトリーを用いてNK細胞、NKT細胞を分離した。その後in vitroにてIL-18で刺激し48時間後のNK活性、培養上清中のインターフェロン-γの産生を測定した。その結果、IL-18刺激後のNK細胞では、YAC-1細胞に対して著名な細胞傷害活性の増強を示したのに対して、IL-18刺激後のNKT細胞ではわずかな細胞傷害活性の増強しか認められなかった。また、IL-18刺激後にNK細胞からは多量のインターフェロン-γの生産が認められたが、NKT細胞ではわずかな生産しかみられなかった。このことよりIL-18の抗腫瘍効果を担っているエフェクター細胞は、NKT細胞ではなくNK細胞であるこが強く示唆された(投稿準備中)。 次に樹状細胞やIL-18、T細胞、NK細胞、そして腫瘍細胞が腫瘍特異的免疫誘導にそれぞれどのような役割を果たすのかを解明するために、マウスのそれぞれの細胞をin vitroで共培養することによって、効率良く腫瘍特異的CTLを誘導することが出来るかを検討した。その結果、IL-18がNK細胞を活性化し腫瘍細胞をアポトーシスに陥らせる結果、樹状細胞を介して効率良く腫瘍特異的CTLを誘導することをin vitroで示した(Tanaka et al.Cancer Res.2000,60:4838-4844)。このことはIL-18がinnate immunityの増強に関わるのみならず、specific immunityの誘導にも関わることを強く示唆している。
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