研究課題/領域番号 |
12671955
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
川上 哲司 奈良県立医科大学, 口腔外科, 講師 (60254512)
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研究分担者 |
吉原 紘一郎 奈良県立医科大学, 生化学, 教授 (70075042)
杉村 正仁 奈良県立医科大学, 口腔外科, 教授 (20028749)
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キーワード | 顎関節症 / 滑液 / マトリックスメタロプロテアーゼ / フリーラジカル / NO / パーオキシナイトライト |
研究概要 |
顎関節症の病態を解明するために種々のマーカーが研究されているが、本研究は関節軟骨の破壊マーカーのひとつとされているマトリツクスメタロプロテアーゼ(Matrix Metalloproteinases : MMPs)の活性制御の解明を目的として行った。われわれの研究では、滑膜炎を有する顎関節症患者の滑液中には、活性型MMP-3の活性冗進が有意に認められ、顎関節症の病態を顕示するマーカーとなり得ることが明らかとなった。しかしながら、in vivoにおける顎関節滑液中のMMP活性化機構については詳細は明らかにされていない。顎関節症患者滑液中にNOおよびフリーラジカルの存在が明らかとなっており、組織破壊など直接的な関与が示唆されている。また、in vitroではMMPの活性化にフリーラジカルの関与を示唆する報告がある。そこで、顎関節患者滑液中に含まれるフリーラジカルを生化学的に検出するために、パーオキシナイトライト(ONOO-)による化学修飾産物として知られるニトロチロシンに着目して解析を行った。その結果、顎関節症患者滑液中に抗ニトロチロシン抗体に結合する複数のニトロ化タンパク質が検出された。これらのニトロ化タンパク質を免疫沈降法を用いて解析した結果、MMP-2およびMMP-3が同定され、滑液中のMMPsがパーオキシナイトライトにより化学修飾されることが示された。さらに、ニトロ化によるMMP活性への影響を調べるため、パーオキシナイトライト発生剤を顎関節症患者滑液に加え、MMP活性を蛍光基質ペプチドを用いて測定した。その結果、パーオキシナイトライト添加群は非添加群に比してMMP活性の上昇が認められた。以上のことから、in vivoにおいて顎関節滑液中のパーオキシナイトライトがMMPsの活性化に寄与する可能性が示唆された。
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