研究概要 |
悪性腫瘍により顎顔面が切除された症例に対する咀嚼機能の回復は、QOLの面から大変重要なテーマである。臨床的にはこれらの症例に対して、インプラントを応用し機能の回復を図っている。しかし条件の悪い母床に用いられるため、既存のインプラント素材ではその成功率は低いことが知られている。そこでDiopside-BMP複合インプラントの開発を目指してこの研究を進めている。 今年度は、インプラントの芯材となるチタンの加工およびBMPを複合させる前段階のDiopsideインプラントの製作を中心に行った。またBMPをインプラントに複合させる担体を検討するため、数種類の担体の比較移植実験も行った。 インプラントの作製はほぼ完了したが、BMP注入孔がインプラント自体の強度を落とす危険があり、これは来年度の課題である。担体実験は家兎を用いてアテロコラーゲン、ポリ乳酸、HAを担体とし、下顎骨下縁の骨欠損部に移植した。経時的に屠殺し組織学的に観察している。 現在までの結果を第4回日本顎顔面インプラント学会(平成12年10月28,29日:鶴見大学会館)において発表した。
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