癌血管新生抑制遺伝子エンドスタチンを用いた遺伝子治療の基礎的研究

2001 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 12671973
• 研究機関: 神奈川歯科大学
• 研究代表者: 大見 寧 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (10318892)
• 研究分担者: 笹倉 裕一 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (80121002) ; 李 宇錫 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (90288085) ; 平田 量哉 神奈川歯科大学, 歯学部, 助手 (80308311)
• キーワード: エンドスタチン / 扁平上皮癌 / 遺伝子治療

研究概要

マウス エンドスタチンCDNAを遺伝子導入した、扁平上皮癌細胞をマウス皮下に移植を行い、腫瘍径の変化を観察したところ、エンドスタチンCDNA導入株において、著しい腫瘍径の縮小が認められた。さらに、導入株における、腫瘍組織の中に存在する腫瘍血管をα-CD31モノクローナル抗体を用いて染色したところ、コントロール(未導入株)と比べて、腫瘍血管数の減少を認めた。
また、腫瘍血管における細胞増殖因子である、VEGFおよび、FGF-2の発現を免疫組織学的に解析したところ、コントロールならびに遺伝子導入株において、発現に差異を認めなかった。以上から、エンドスタチンは、腫瘍血管数の減少には、重要な役割を担っているが、腫瘍血管における、VEGFおよびFGF-2の発現には、関与していないことが明らかとなった。