ラット坐骨神経の神経因性疼痛モデルを用い、サイトカインの一種であるIL6の局在を後根神経節と脊髄で正常ラットと比較して検討した。また末梢循環改善作用のあるシロスタゾールを神経因性疼痛モデルに投与し、その際の治療効果をbehavior analysisあるいはホルマリンテストで検討した。CCIモデルはベネットモデルを用い、手術1週間後にbehavior analysisで神経因性疼痛の発症を確認した。発症を確認したラットをそのまま4週間飼育した群と、CCIののちにシロスタゾールを投与した群、なにもしなかった群を比較した。 その結果、CCIモデルおよびシロスタゾール投与はIL6の局在には大きな影響を与えないことが明らかとなった。またシロスタゾールには治療効果が現れないことを確認した。 またCCIの代わりに糖尿病ラットを用い、同様の実験を行った。糖尿ラットはSTZを腹腔内投与し、3日後に尾静脈の採血をして血糖が250mg/dl以上のラットを選ぶことで作製した。 その結果、シロスタゾールはホルマリンテストで治療効果があることが確認された。しかし糖尿病モデルおよびシロスタゾール投与はIL6の局在には大きな影響を与えないことが明らかとなった。 以上より、2種類のニューロパチラットにおいてシロスタゾールが異なった反応を示すことが明らかとなったが、IL6の局在にについては大きな違いのないことが明らかとなった。
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