成長期ラット(1カ月齢)ラット脛骨成長板軟骨を用いて、軟骨組織におけるヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPG)、bFGF、FGFRの局在を免疫組織学的手法を用いて検討した。 HSPGの検出にあたり、ヒアルロニダーゼ、及びコンドロイチナーゼによる前処理を行ない、最適な前処理方法を検討した。その結果、ヒアルロニダーゼ処理により、全ての軟骨細胞に一致し、肥大軟骨細胞層では軟骨小腔壁及び基質にも及ぶ免疫局在が認められたものの、コンドロイチナーゼによる前処理を行なった場合には、成長板軟骨基質全体及び一次海面骨梁の軟骨基質にも強いHSPGの免疫反応が認められた。よって軟骨基質におけるHSPGは主にコンドロイチン硫酸によってマスクされており、軟骨組織におけるHSPGの検出にはコンドロイチナーゼによる前処理が不可欠であることが明らかとなった。また、軟骨基質全体におけるHSPGの局在も明らかとなった。bFGFは、軟骨細胞、血管侵入部位、骨梁類骨部位に認められた。FGFRも、bFGFの局在に対応して軟骨細胞、骨芽細胞に局在していた。以上より、成長板軟骨の軟骨分化と骨化過程においてこれら三者が関連して機能していることが推察された。現在、これら成長板軟骨における結果を踏まえ、成長期下顎頭軟骨におけるHSPGの局在とbFGF、FGFRとの関係について検討を行っている。
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