研究概要 |
本研究では加水分解し、生体に吸収され、組織為害性がないポリ乳酸(CPLA、分子量:100,000〜750,000)と骨伝導能を持つハイドロキシアパタイト(HAP)、フルオロアパタイト(FAP)、α三りん酸カルシウム(α-TCP)、β三りん酸カルシウム(β-TCP)の4種の有機/無機のコンポジット型インプラント材を試作し、その理工学的性質について検討するとともに、組織親和性、生体吸収性につて病理組織学的、免疫組織学的、電子顕微鏡学的に検索する。さらに、試作インプラント(生体吸収性人工歯根)を固定源として歯の移動を行うとともに、試作スクリュー、プレートおよび人工骨を作製し、その有効性や吸収性について理工学的、病理組織学的、電子顕微鏡学的ならびに血管網の立体的微細構造について検討し、生体に調和した画期的な生体吸収性インプラント材を開発しようとするものであり、本年は次の結果を得た。 1、3種のポリ乳酸とα-TCP、β-TCP、HAP、FAPそれぞれを30、50(Wt/%)の割合でブレンドし、試作インプラントロッドを作製した。 2、各種インプラントロッドをラット背部皮下に埋入し、組織親和性と生体吸収性の経時的変化について病理組織学的に検索した。 その結果、周囲組織に炎症性反応などの所見は認められなかった。
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