研究課題/領域番号 |
12672033
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
歯周治療系歯学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
小林 哲夫 新潟大学, 歯学部附属病院, 講師 (00215344)
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研究分担者 |
杉田 典子 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (30313547)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | 抑制性レセプター / FcγIIB / 免疫グロブリンレセプター / 歯周炎感受性 / 遺伝子多型 / 1塩基置換 / ダイレクトシークエンス / PCR |
研究概要 |
FcγRIIBの免疫調節機能: 抑制性IgGレセプターであるFcγRIIBの免疫調節機能を明らかにする一環としてFcγRIIB遺伝子を解析した。インフォームドコンセントが得られた健常者100名を対象に末梢血よりゲノムDNAを抽出し、ダイレクト・シークエンシングにて塩基配列を検索したところ、エクソン4において5カ所、イントロン4において2カ所、合計7カ所において1塩基置換を世界に先駆けて発見した。このうち、エクソン4でのnt 688、nt 694、nt 699の3カ所の1塩基置換はアミノ酸変異を伴っておりスプライシングとの関連が予想されたが、mRNAよりcDNAを抽出して調べたところ、関連は認められなかった。しかし、これらの1塩基置換はFcγRIIbのリガンド結合部位の構造に変化を生じさせている可能性が考えられる。 FcγRIIB遺伝子多型と歯周炎感受性との関連性: 上述した7カ所における遺伝子多型と最近報告されたFcγRIIBエクソン5での遺伝子多型について侵襲性歯周炎患者33名、慢性歯周炎患者73名、健常者71名を対象にインフォームドコンセントを得た後、末梢血を採取後ゲノムDNAを抽出し、各遺伝子型をダイレクトシークエンシングあるいはPCR法にて解析した。その結果、エクソン5の遺伝子多型nt 775 T/Cの分布が侵襲性歯周炎患者群と健常者群とで統計学的に有意に異なり、nt 775 Cの割合が侵襲性歯周炎患者群において有意に高かった(17% vs.6%、P=0.01、オッズ比3.4)。以上から、抑制性のIgGレセプターであるFcγRIIB遺伝子は歯周炎感受性を規定する因子になりうることが示唆された。
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