日本白色種家兎21羽を7羽ずつ以下のように群別した。すなわち、1)イプリフラボン(IP)前投与群-骨再生誘導法(GBR)開始1ヵ月前からIPを投与、2)IP後投与群-GBR開始1ヵ月前からIPの溶解剤である1%ハイドロキシプロピルセルロース(HPC)のみを投与し、GBR終了後IPを投与、および3)コントロール群-1%HPCのみを投与、の3群に分けた。 GBR開始前に1ヵ月予備飼育をした後、全身麻酔下で頭頂骨を露出させGBRを行い新生骨を増生させるための実験母地を作製した。一定容積(直径8mm、高さ4mm)の半円球チタンキャップ(キャップ)2個を左右頭頂骨に設置した後、施術部を縫合した。水と飼料を自由に与え、3週目、6週目および12週目にラベリングし、3ヵ月経過後、再度全身麻酔下で実験母地の1側のキャップを除去し、新生組識を露出させ早期露出側とし、他側のキャップは除去せずに被覆側とした。施術部を縫合し、さらに1ヵ月飼育した。 全身麻酔下で再度頭頂骨を露出させ、早期露出側の印象採得を行った後、すべての家兎を安楽死させ、頭頂骨から早期露出側ならびに被覆側を切り出し組織標本の作製を行った。印象採得後、石膏を注入し、模型作製を行った。石膏模型を中央部で割断後、写真撮影を行い、写真をパーソナルコンピュータに入力し、画像解析ソフトを用いて計測した。使用したキャップの割断面に相当する面積のピクセル数(100)に対する石膏模型における新生組識量のピクセル数の割合を百分率で算出した。 前投与群とコントロール群の早期露出側における模型計測の途中結果であるが、前投与群の新生組識量が84.7%であったのに対し、コントロール群では61.3%であった。このことからIPがGBRによって新生される組識量に有効に作用している可能性が示唆された。
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