研究概要 |
すでに我々は安全なトリメチルシリルジアゾメタン(Me_3SiCHN_2,TMSCHN_2)が危険なジアゾメタン(CH_2N_2)に代わる優れた多目的反応剤であることを見出している. 本研究ではTMSCHN_2の多目的反応剤の可能性をさらに追究し、以下の知見を得た. 1.我々が開発したTMSCHN_2のリチウム塩(TMSC(Li)N_2)とカルボニル化合物の反応によるアセチレンの合成法およびο-シロキシフェニルアセチレンよりベンゾフラン骨格の新規構築法の両方法を鍵反応としてviburnum awabukiより単離された抗酸化作用を示すべンゾフラン型リグナンであるビブサノールの最初の全合成を達成した. 2.TMSC(Li)N_2とγ-ケトアルデヒド アセタールの反応による2-シクロペンテノンの新規合成法を開発すると共に、この反応を鍵反応とて海洋生物由来の2-シクロペンテノン誘導体で強力な殺細胞活性を示すトリコデノンCの効率的合成法を開発した. 3.TMSCHN_2とN-スルホニルアルドイミンを反応させるとcis-N-スルホニルアジリジンが高選択的かつ高収率で得られることを見出し、その一般法を確立した.
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