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2001 年度 実績報告書

東南アジア産ミカン亜科基原薬用植物の化学変異と民族生薬学的観点からの比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 12672064
研究機関帝京大学

研究代表者

木下 武司  帝京大学, 薬学部, 助教授 (10107386)

キーワードミカン科 / ゲッキツ / ナガミゲッキツ / 化学系統分類学 / プレニルクマリン / 形態分類学
研究概要

1.フィリピン産ゲッキツ(Murraya paniculata)の乾燥葉893gのアセトン抽出画分94.6gについてシリカゲル、セファデックスLH-20、逆相シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより分離、精製を繰り返した結果、18種プレニルクマリン誘導体と2種のポリメトキシフラボン誘導体を同定した。以上の成分は全てナガミゲッキツ(M.paniculata var.omphalocarpa)からも得られており、フィリピンに分布するゲッキツは台湾蘭嶼の特産変種とされたナガミゲッキツと化学的に相同であることが明らかになった。特にナガミゲッキツから得られ、本年度の研究において構造が明らかになった5,7-dimethoxy-8-(1-oxo-2-senecioyl-3-methyl-3-butenyl)-2H-1-bennzopyran-2-oneは生合成的には5,7-dimethoxy-8-(1,2-epoxy-3-methyl-3-butenyl)-2H-1-bennzopyran-2-oneに由来する、他地域産のゲッキツには見られない特異なプレニルクマリンであり、化学系統分類学的観点から、フィリピン産ゲッキツとナガミゲッキツの相同性を強く支持するものである。
2.ボゴール植物園標本館に所蔵するインドネシアほか東南アジア各地のゲッキツのさく葉標本を鑑定した結果、沖縄〜南中国に分布するものとは大きく異なり、葉はより大型で果実は嘴状に曲がる特徴を有することが確認できた。
3.以上の化学的並びにさく葉標本による形態学的研究の結果、ナガミゲッキツはフィリピン諸島以南からインドネシア全域に広く分布するものであり、これらの地域に産するゲッキツの学名はM.paniculataとするのが適当であり、var.omphalocarpaは異名であると結論した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Takeshi Kinoshita: "Isolation and Structure Elucidation of a New Prenylcoumarin from Murraya paniculata var.omphalocarpa(Rutaceae)"Chem.Pharm.Bull.. 50(1). 118-120 (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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