研究概要 |
見出し数字は、12年度補助金交付申請書・研究実施計画に記した項目と同じである。 (1)狩蜂毒嚢成分の研究は、V.D研究の競争が世界的に激化してきたため(2)のV.Dの研究を優先させ、12年度は一時休止した。従って、現段階では成果はない。 (2)i)糖より立体選択的に効率良く合成したA環前駆体を、別途合成したCD環-側鎖部とPd触媒存在下カップリングさせて2α-alkyl-,2α-(ω-hydroxy)alkyl-及び2α-(ω-hydroxy)alchoxy-1α,25-dihydroxyvitaminD_3をシステマチックに合成し、VDR親和性を指標とする多様なV.D活性を調べ、構造活性相関とビタミンD受容体(VDR)との結合形を究明した[橘高ら:第26回反応と合成の進歩シンポジウム(2000年11月、要旨集p100〜101)][須原ら:第20回メジシナルケミストリーシンポジウム(2000年12月、要旨集p135〜136)] ii)A環の2位にメチル基を導入するというシンプルな構造変化により、A環のコンホメーションを含む様々な構造因子とVDR親和性を指標とする多様なV.D活性との関係[J.Med.Chem.43,4247(2000)]を更に究明するため、1位メチル及び3-位メチル置換活性型ビタミンDの可能なA環ジアステレオマーを総て合成し、VDRをはじめ様々なV.D活性を調べた。[藤島ら:第52回ビタミン学会、ビタミン74、189(2000)] iii)19-nor活性型ビタミンDのユニークな活性プロフイルとの比較のため、8種の2-メチル置換活性型ビタミンD_3の対応する5,6-トランス幾何異性体を合成し、構造活性相関とVDRへのドッキングスタデイ行った[藤島ら:第20回メジシナルケミストリーシンポジウム(2000年12月、要旨集p137〜138)]] (3)フラン縮環3-スルホレンを用いた活性型ビタミンD_3のA環部シントンの合成研究として、ヨウ化サマリウム(II)を用いた7-oxa-bicyclo[2.2.1]heptane類の位置選択的C-O結合開裂反応を開発した[吉田ら:第26回反応と合成の進歩シンポジウム(2000年11月、要旨集p24〜25)]]。
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