研究課題/領域番号 |
12672071
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研究機関 | 星薬科大学 |
研究代表者 |
河合 賢一 星薬科大学, 薬学部, 教授 (30061295)
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研究分担者 |
細江 智夫 星薬科大学, 薬学部, 助手 (10287849)
野沢 幸平 星薬科大学, 薬学部, 講師 (70180734)
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キーワード | 子嚢菌 / 菌類代謝産物 / クラドスポリウム属 / マルブランキア属 / 病原真菌 / 抗真菌性 / トリテルペン / 配糖体 |
研究概要 |
ブラジル産菌300株について米培地で培養後、クロロホルム-メタノール抽出エキスを得、それぞれのエキスについて病原真菌4種(糸状菌2種、酵母2種)を被検菌としてディスク法により抗菌活性の有無を調べた結果、約60株の菌に何らかの抗真菌活性が認められた。このうち今回は日和見感染症の一つ、肺アスペルジルス症の原因菌であるAspergillus fumigatusに対する抗真菌剤の開発を目指し、前記菌に特異的な抗菌活性を示すいくつかの菌株の成分検索を試みた。Cladosporium属菌Na-92株(IFM49189株)からは活性成分として新規ペンタノルラノスタン誘導体cladosporide Aを単離した。本化合物は種々のA.fumigatusに対してMICは見られなかったものの、IC_<80>が0.5〜4.0μl/mlと強い静菌活性を有することが確認された。また、本化合物はラノスタン骨格の4位にアルデヒド基を有する化合物であり、同時に単離されたメチル誘導体には全く活性が認められないことから抗菌活性発現には4位のアルデヒドが必須であると考えている。 分類上医真菌との関連があるとされているMalbranchea属菌の成分検索にも興味を持ち、15種についてエキスの抗真菌活性を検索した結果、4種に活性が認められた。Malbranchea filamen tosaのエキスはCandida albicans,Cryptoccocus neoformans等病原酵母に強い抗真菌活性を示したので、その活性本体の解明をめざして分離を行い、新規骨格を右するトリテルペン配糖体malbrancheoside Aの単離・構造決定を行った。本化合物の活性については現在検討中である。その他、抗真菌活性を示した2〜3種の菌株について成分検索を行ってる。
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