研究概要 |
平成12年度は植物、生薬の収集とエキスの調製、3種類の腫瘍細胞(MK-1:ヒト胃ガン,HeLA:ヒト子宮頚ガン,B16F10:マウス悪性メラノーマ)に対するエキスの増殖抑制効果の検定を主眼として作業を行った。90科313種の植物、生薬、合計450検体を収集し、エキスを調製した。そのうち、353検体の腫瘍細胞増殖抑制効果を検定した。いずれかの細胞に対して50%増殖抑制濃度(GI_<50>)が50mg/ml以下を示す検体は113あり、興味ある植物については、エキスの分画、活性成分の単離と構造決定を行った。タンキリマメ種子より没食子酸その他のポリフェノール類、Lippia dulcisより数種のセスキテルペン類、acteosideおよび関連化合物3種、クロガネモチ葉よりursolic acid,ローズマリー葉よりursolic acid,betulinic acid,クサギ葉、ボタンクサギ葉よりacteoside,isoacteoside,ツキヌキサイコ果実よりursane骨格を持つサイコサポニン類縁化合物、ツボクサよりasiaticoside B,madecassoside,rosmarinic acid,8-acetoxy-1,9-penta-diene-4,6-diyn-3-ol,ursolic acid、ヨロイグサ果実よりergosterol peroxide,モノテルペン化合物2種、クマリン化合物数種を活性成分として単離した。雲南省産の植物については、海外共同研究者の楊崇仁教授の骨折事故とそれに伴う療養のため、被験植物の採集が滞っており、進行していない。抗HIV作用については、現在のところ思わしい結果が出ていない。
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