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2001 年度 実績報告書

肥満細胞におけるTRPチャネルの役割と活性化機構

研究課題

研究課題/領域番号 12672094
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

平嶋 尚英  名古屋市立大学, 薬学部, 助教授 (10192296)

キーワード肥満細胞 / TRPチャネル / カルシウムチャネル / エクソサイトーシス / アレルギー / カルシウムストア
研究概要

肥満細胞からのヒスタミン等の放出によって即時型アレルギーが惹起される。この放出には細胞外からのCaイオン流入が不可欠であるが、Caチャネルの実体は不明である。我々はその実体の候補としてTRPチャネルが肥満細胞に発現していることを突き止め、平成12年度には、TRPチャネルのドミナントネガティブ株、及び非発現株の作成に成功した。平成13年度は、これらの細胞株を用いて、カルシウム測定を行い、肥満細胞におけるTRPチャネルの役割を検討した。
(1)TRPのドミナントネガティブ、アンチセンス株のカルシウム動態
ドミナントネガティブ株、アンチセンス法による非発現株のどちらにおいても、抗原刺激によるカルシウム動態に変化は見られなかった。従って、TRPチャネルは肥満細胞に発現はしているが、抗原刺激に伴なうカルシウム濃度上昇には関与していないことが示唆された。従って、TRP以外にチャネルが関与していることになる。そこで、肥満細胞のカルシウムチャネルの性質を深追究するために、ハプテン添加によるカルシウムチャネルの阻害機構の研究を行った。
(2)ハブテン投与によるカルシウム濃度変化
肥満細胞多価抗原によってIgE受容体が架橋されることによって活性化されるが、1価の抗原(ハプテン)を多量に加えることで、架橋が解除され、その結果カルシウムチャネルが阻害され、細胞内カルシウム濃度が低下する。そこで、RBL-2H3細胞において、ハプテンの作用を調べた結果、ハプテン添加によって確かに多価抗原によるカルシウム濃度上昇は抑制されるが、タプシガルギンによるカルシウム濃度上昇は阻害されなかった。このことは抗原刺激によって活性化されるカルシウムストア枯渇依存性のカルシウムチャネルとタプシガルギンによって活性化されるストア枯渇依存性のカルシウムチャネルとでは、活性化経路が異なる可能性があることが示唆された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Tadahide Furuno: "Nuclear shuttling of MAP kinase (ERK2) was dynamically controlled by MEK after antigen stimulation in RBL-2H3 cells"J. Immunol.. 166. 4416-4421 (2001)

  • [文献書誌] Yasushi Satoh: "β-amyloid peptides inhibit acetylcholine release from cholinergic presynaptic nerve endings isolated from the electric ray"Neuroscience Lett.. 302. 97-100 (2001)

  • [文献書誌] Tetsuhi Amano: "Dynamics of intracellular granules with CD63-GFP in rat basophilic leukemia cells"J. Biochem.. 129巻. 739-744 (2001)

  • [文献書誌] Seiji Hasegawa: "Microtubule involvements in the intracellular dynamics for gene transfection mediated by cationic liposomes"Gene Therapy. 8巻. 1669-1673 (2001)

  • [文献書誌] Yoshikazu Inoh: "Biosurfactants of MEL-A increase gene transfection mediated by cationic liposomes"Biochem. Biophys. Res. Commun.. 289巻. 57-61 (2001)

  • [文献書誌] Tomonobu Yoshimura: "Anchoring and bola cationic amphiphiles for nucleotide delivery"Bioorg. Med. Chem. Lett.. 11巻. 2897-2901 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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