研究課題/領域番号 |
12672107
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松本 直樹 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (40239108)
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研究分担者 |
山本 一夫 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (20174782)
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キーワード | オーファンレセプター / NKR-P1 / NKp46 / Ly49 / ナチュラルキラー細胞 / リガンド / MHCクラスI |
研究概要 |
NK細胞活性化レセプターに対する抗体を得るため、ラットをマウスNK細胞で免役した後、脾臓細胞を採取し、ハイブリドーマを作成した。1500クローンのスクリーニングの結果、NK細胞に結合し、Tリンホーマ細胞に結合しない8種の抗体を得た。これらの抗体のうち一つは、NK細胞による細胞障害を抑制し、認識分子の性状解析の結果、β2インテグリンであることが推定された。またもう一つの抗体はNK細胞による細胞傷害を増強した。性状解析によりその認識分子はセマフォリン4Dである可能性が示唆され、その異同について現在検討中である。 NK細胞活性化に関わるオーファン(リガンドが未知の)レセプターのリガンドを同定するための予備的実験として、NK細胞抑制性レセプターLy49Aをモデルとして検討を行った。Ly49A細胞外ドメインを大腸菌で発現させ、in vitroでリフォールディングし、リガンドであるMHCクラスI分子に結合活性を有する可溶型レセプターを作成することに成功した。これを用いた解析により、MHCクラスI分子上のLy49A結合部位の同定に世界に先駆けて成功した。また、Ly49AによるMHCクラスI多型の識別における序列を明らかにし、さらに多型性識別の機構についても明らかにした。 上記で確立された手法を用いてNK細胞活性化に関わるオーファンレセプターNKR-P1の可溶性組換え体を作成した。これを用いて現在、NKR-P1リガンドを発現する細胞株のスクリーニングを行っている。また、他のオーファンレセプターNKp46については、リフォールディングの効率が非常に低かったため、現在、バキュロウィルスを用いた発現を試みている。
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