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2000 年度 実績報告書

テロメア短縮は個体老化の原因か

研究課題

研究課題/領域番号 12672111
研究機関広島大学

研究代表者

田原 栄俊  広島大学, 医学部, 助教授 (00271065)

キーワードテロメア / テロメラーゼ / 老化
研究概要

1.いろいろな癌細胞株でのテロメア長を調べたところ、正常細胞よりも短いテロメア長を持つものが80%以上であった。
2.上皮細胞、繊維芽細胞、平滑筋細胞をin vitroで培養すると一定の分裂回数の後増殖停止するが、いずれの細胞も増殖停止にいたるまでにテロメアの短縮が見られ、いずれの細胞でもテロメラーゼ活性の持たない細胞ではテロメアが短縮することが明らかになった。
3.テロメアの短縮が見られた上皮細胞、繊維芽細胞、平滑筋細胞にテロメラーゼ遺伝子であるhTERT遺伝子をレトロウイルス法により導入するとテロメア長の正常細胞で見られるテロメアの短縮が阻止され、テロメアの延長が見られた。
4.hTERT遺伝子を導入した細胞は、正常細胞に比べて分裂できる回数が増加したもの(延命効果)、無限に増殖できるようになったもの(不死化)が多数えられた。
5.早老症の一種であるウエルナー患者から細胞を採取し、in vitroで培養を行うと健常人から取ってきた細胞にくらべて早く分裂停止を起こすことがわかった。
以上の結果を総合して考えると、テロメアの長さと細胞が分裂できる回数は相関間関係が見られた。テロメラーゼ遺伝子の導入によって細胞分裂できる回数が飛躍的に延びたものが多数あったことからもテロメア長が重要な役割を果たしていることがわかった。細胞が分裂できるかできないかは、組織を支配している細胞が機能できるかどうか一つに重要な判断材料と考えられることから、テロメア長が個体の老化においても重要であるものと考えられる。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Harada,K.: "Telomerase activity and the expression of telomerase components in pituitary adenoma with malignant transformation"Surg.Neurol.. 53. 267-274 (2000)

  • [文献書誌] Harada,K.: "Growth inhibition of human glioma cells by transfection-induced P21 and its effects on telomerase activity,"J.Neurooncol.. 47. 39-46 (2000)

  • [文献書誌] Harada,K.: "Telomerase activity in primary and secondary glioblastomas multiforme as a novel molecular tumor marker,"J.Neurosurg. 93. 618-625 (2000)

  • [文献書誌] Kawakami,Y.: "Immuno-histochemical detection of human telomerase reverse transcriptase in human liver tissues,"Oncogene. 19. 3888-3893 (2000)

  • [文献書誌] Takahashi,S.: "Expression of telomerase component genes in hepatocellular carcinomas"Eur.J.Cancer. 36. 496-502 (2000)

  • [文献書誌] Yokozaki,H.: "Cloning of a human hepatocyte growth factor/scatter factor transcription variant from a gastric cancer cell line HSC-39"Int.J.Oncol. 16. 105-108 (2000)

  • [文献書誌] Tahara,H.: "Involvement of telomere shortening and telomerase in cell aging and immortalization"Gann Monograph on Cancer Research. 49. 1-17 (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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