研究概要 |
インターロイキン13(IL-13)はTh2リンパ球によって産生されるサイトカインであり、近年呼吸器喘息などのアレルギー疾患との関連が注目されてしる。IL-13のレセプターは2種類(α,α′)あるが、IL-13Rα′のみがシグナル伝達に関係する。我々はIL-13Rα′細胞内ドメインに結合する蛋白がそのシグナル伝達に重要な役割を持つものと考え、Yeast tri-hybrid法を用いてIL-13Rα′細胞内ドメインに結合する新規タンパク質;IL13RBP1をヒト胎児肝細胞cDNAライブラリよりクローニングした。IL13RBP1は全長2370bp、625アミノ酸からなり、N末端にMyosin Heavy chain様ドメイン、中央に核移行シグナル(NLS)、C末端にCoiled-Coil領域を持っていた。ノーザンブロットではすべての組織に発現を認めたが、特にTestisで強い発現が認められた。また,ヒト精巣cDNAライブラリからIL13RBP1のN末端から1400塩基付近に,100bP〜300bPの長さの異なる配列が挿入されているvariantを3種類クローニングした。遺伝子データバンクの検索においてD.melanogaster及びC.elegansに類似の遺伝子を認めたが、その機能については不明であり、さらなる検討が必要なものと考えられる。本研究の要旨は第23回日本分子生物学会にて報告した。
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