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2001 年度 実績報告書

癌転移および老化制御におけるストレス蛋白質の役割

研究課題

研究課題/領域番号 12672114
研究機関静岡県立大学

研究代表者

海野 けい子  静岡県立大学, 薬学部, 助手 (10106437)

研究分担者 奥 直人  静岡県立大学, 薬学部, 教授 (10167322)
キーワード老化 / 老化促進モデルマウス / 酸化ストレス / 脳 / 緑茶カテキン
研究概要

高齢化社会において、加齢に伴う学習記憶能の低下を防ぐことは、高齢者の生活の質的向上のみならず、社会的にも意義のある重要な課題である。加齢に伴う脳萎縮、学習記憶能の低下等の特徴を示す老化促進モデルマウス(SAMP10)を用い、抗酸化作用が報告されている緑茶カテキンについて、学習記憶能に対する効果を検討した。
老化促進モデルマウス(SAMP10)および対照マウス(SAMR1)について、生後1月齢から6月齢あるいは12月齢まで、0.02%の濃度で緑茶カテキン(ポリフェノン70S)を含む水を自由摂取させた。コントロールは通常の水を摂取させた。緑茶カテキンの抗酸化作用を確かめるため、DNAの酸化ストレスの指標として最もよく用いられている8-oxodeoxyguanosine(8-oxodG)の測定を行った。また学習判定には、マウスが暗い所を好む性質を利用し、明室から暗室に移動すると電気ショックが与えられることを学習させる、受動回避テストを行った。この学習に要する時間および回数を測定した。さらに、翌日および1ヶ月後に同じ受動回避テストを行い、記憶状態について判定を行った。
その結果、通常の水を摂取した12月齢のSAMP10マウスの肝臓において、8-oxodGのレベルが有意に増加していた。しかし、緑茶カテキンを含む水を摂取した12月齢のSAMP10はその増加が抑制され、若齢のSAMP10および同じ月齢のSAMR1と同程度の値を示した。このことから、緑茶カテキンの摂取はSAMP10において、酸化ストレスを軽減させる効果があることが確認された。
次に学習・記憶能に対する効果を検討した。通常の水を摂取した12月齢のSAMP10マウスは、若齢のSAMP10および同じ月齢のSAMR1に比べ、学習に要する時間の増加、ならびに記憶能の低下が観察された。一方、緑茶カテキンを含む水を摂取した12月齢のSAMP10は、通常の水を摂取したコントロール群に比べ学習記憶能の低下が改善する傾向が見られた。緑茶カテキンは、加齢に伴う学習記憶能の低下に対しても、抑制効果があることが示唆された。
本実験で用いたカテキン量はヒトへの応用も十分可能な量であり、その効果が期待される。今後、加齢に伴う脳機能の変化に対する、緑茶カテキンの作用機構についてさらに検討する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 海野けい子 他: "長期アルコール摂取による老齢ラット脳内のストレス応答"日本薬学会第121年会 講演要旨集. 4. 70 (2001)

  • [文献書誌] Keiko Unno et al.: "Effect of green tea catechins on learning and memory in senescence-accelerated mice"Proceedings of 2001 International Conference on O-Cha(tea) Culture and Science. Session III. 170-172 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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