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2000 年度 実績報告書

分子標的解析に基づいたガン温熱療法の新規有用性に関する基盤研究

研究課題

研究課題/領域番号 12672122
研究機関東京薬科大学

研究代表者

伊東 晃  東京薬科大学, 薬学部, 教授 (70096684)

キーワード温熱療法 / ガン転移・浸潤 / マトリックスメタロプロテアーゼ / 熱ショック / サイクリックAMP
研究概要

ヒトガン細胞におけるマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)産生能およびガン細胞のマトリゲル浸潤能に対するガン温熱療法(熱ショック)の作用機序を生化学的・分子生物学的に評価すると共に、これら知識に基づいたガン温熱療法の新規有用性について検討し、以下の成果を得た。
(1)ヒト線維肉腫細胞HT1080および扁平上皮細胞A431の培養系において、転移・浸潤活性と最も関係が深く、プロゼラチナーゼA/proMMP-2活性化酵素でもある膜結合型MMP(MT1-MMP)の発現に対する熱ショック(42℃にて培養後37℃に戻してさらに培養)の影響をタンパク質およびmRNAの両面から検討した。その結果、熱ショックはMT1-MMPはmRNAの減少を伴ってその産生が抑制されると共に、活性型ゼラチナーゼA/MMP-2の減少が誘導された。逆にMMPの内因性インヒビターであるTIMP-2の産生放出が促進された。また、これらの作用は熱ショックの殺細胞作用や細胞毒性に起因したものではなく、さらに正常線維芽細胞では観察されずガン細胞に特異性が高いことも判明した。
(2)熱ショックのガン細胞の浸潤能に与える影響をマトリゲルインベージョン解析により検討し、熱ショックがin vitroのガン細胞の浸潤活性を上記現象に起因し抑制することが判明した。
(2)熱ショックの機能発現機序を検討し、上記浸潤活性抑制に熱ショックタンパク質の誘導とは関係のないこと、さらに熱ショックによる細胞内cAMPの一時的な上昇が密接に関わることが明らかとなった。
以上、ガン温熱療法においてガン転移・浸潤抑制作用といった新規有用性を明らかにした。本研究成果の一部はClin.Expt Metastas.18(2):131-138(2000)に発表した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Sawaji,Y.,Sato,T.,Seiki,M.and Ito,A.: "Heat shock-mediated trausient increase in intracellular 3', 5'-cyclic AMP results in tumor specific suppression of membrane type 1-matrix metalloproteinase production and progelatinase A activation."Clin.Expt.Metastas.. 18・2. 131-138 (2000)

  • [文献書誌] 佐藤隆,澤地恭昇,伊東晃: "温熱刺激によるガン細胞のMT1-MMP発現抑制機構:ガン温熱療法の新規有用性"Connective Tissue. 32・1(印刷中). (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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