研究課題/領域番号 |
12672150
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
北出 幸夫 岐阜大学, 工学部, 助教授 (20137061)
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研究分担者 |
中西 雅之 岐阜大学, 工学部, 助手 (00281048)
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キーワード | 2-5Aシステム / インターフェロン / RNase L / 2-5Aアンチセンス・キメラ / アンチセンス / 抗ウイルス作用 |
研究概要 |
インターフェロン(IFN)の抗ウイルス作用に2-5Aシステムが知られている。これは、IFNの感作により生成する抗ウイルス性オリゴアデニル酸2-5AがエンドヌクレアーゼであるRNase Lと結合し活性化する。活性化されたRNase LがmRNAを分解し、その結果タンパク質合成をストップすることにより抗ウイルス活性を示すと考えられている。 一方、標的DNAなどを特異的に認識するアンチセンス部分と2-5A部分を結合させた2-5Aアンチセンス・キメラが選択的に特定のmRNAを分解することが判明し、抗ウイルス薬開発への取り組みが開始された。アンチセンス部分による基質選択性は期待通りであったが天然型2-5A分子を組み込んだためか、現在のところ十分なRNase L活性化能は得られていない。そこで、我々が現在までに得た知見をもとにより強力なRNase L活性化能を有する2-5Aを分子設計し、その修飾2-5Aを組み込んだ高機能性2-5Aアンチセンス・キメラを構築すれば、十分な活性を有する抗ウイルス薬や抗癌薬の開発が可能と考えた。 まず本研究では、現在までに合成されている2-5A 2'-末端アデニン塩基部の2位および8位を修飾した2-5A誘導体のRNase L活性化能を、今回大腸菌にて発現し精製したヒト遺伝子組換えRNase Lを用いて系統的に調査した。その結果、2位修飾体よりも8位修飾体の方が活性が増強されることを見出した。そこで、2'-末端アデノシン8位修飾2-5A誘導体の合成を鉛触媒-P1 nuclease法にて合成した。アデニン8位には、エチル基、メトキシ基、ブトキシ基、クロロ基を導入したpApAp(et^8A)、pApAp(meO^8A)、pApAp(buO^8A)、およびpApAp(cl^8A)を合成し、これらのヒト遺伝子組換えRNase L活性化を調べた。 また、アミダイト化したアデノシン誘導体のモノマー・ユニットも合成し、現在2量化反応を検討している。
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