研究概要 |
本年度に行うことを計画した研究のうち、以下の項目を実施した。(1)テトラおよびペンタペプチドの合成:ペプチドシンセサイザーを用いてFmoc法によりGGYG,GGGYGを合成した。HPLCによる分析の結果、合成したこれらのペプチド中にほとんど不純物が含まれず、分取HPLCによる更なる精製は必要がないことが分かった。(2)フルクトシルペプチドの合成:fructoseをピリジン中triphenylchlormethaneと反応させて1,6-ditrityl-fructoseを合成した。次にこれを無水酢酸に溶解し、無水酢酸ナトリウムと反応させてアセチル化し、1,6-ditrity1-2,3,4-triacetylfructofuranose(α+β体)を合成した。ここまでの合成に時間を費やし、以下p-nitrophenyl-α-D-fuructofuranoside(NPF),p-aminophenyl-α-D-fuructofuranoside(APF), p-(succinylamido)-phenyl-α-D-fuructofuranoside(SAPF)を経て最終的なSAPF-テトラ、ペンタペプチドを調製することが出来なかった。そこで本年度計画(3)および研究計画・方法(4)を次年度に実施することとし、(5)BBMVおよびBLMVへの吸着と取り込み実験を先に行うこととした。(5)の実施に際し、BLMVの調製法はまだ確立されていなかったので、Percoll自己形成密度勾配遠心法を用いて、ラット小腸からまずBLMVを調製した。調製したBLMVのNa^+-K^+ATPase活性、alkaline phosphatase活性の検討から、a)側底膜の分離が良好に行われたこと、^3H-glucose取り込みの外液浸透圧依存性から、b)小胞が形成されていることが確認された。さらにcytochalasin B,phloretin等の阻害剤、glucoseにより^3H-glucose取り込みが抑制されたことより、BLMV上にGLUT2が存在し正常に機能していることが確認されたが、BBMV,BLMV上におけるGLUT5の存在および機能については検討できなかった。本年度検討できなかった項目を、平成13年度に予定された項目と合わせて今後早急に研究する所存である
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