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2002 年度 実績報告書

天然由来チューブリン重合阻害物質フェニラヒスチンの分子機能-抗腫瘍活性発現に寄与する構造的因子の同定と医薬分子設計-

研究課題

研究課題/領域番号 12672162
研究機関京都薬科大学

研究代表者

林 良雄  京都薬科大学, 薬学部, 助教授 (10322562)

研究分担者 木曽 良明  京都薬科大学, 薬学部, 教授 (40089107)
キーワードフェニラヒスチン / チューブリン重合阻害 / 抗癌剤 / 全合成 / ジケトピペラジン誘導体 / 分子機能 / 創薬 / 分子設計
研究概要

平成14年度は、最終年度であるが、前年度からの知見に基づきチューブリン重合阻害作用により強力な抗腫瘍活性が期待されるデヒドロフェニラヒスチン(ΔPLH)誘導体開発研究に注力した。ΔPLHの合成法を前年度で開発したので、この手法に基づいて誘導体の合成を開始した。先ず、ΔPLHのimidazole環5位の側鎖にシンプルなt-ブチル基を導入したところ、殺細胞活性が向上することを見いだした。そこで、このt-ブチルΔPLHを基に、ベンゼン環部分を精力的に誘導したところ、HT-29細胞を用いた殺細胞活性試験においてEC50値が0.28および0.37nMという強力な活性を有する化合物KPU-8,KPU-22を見いだした。これらの化合物はΔPLHよりそれぞれ22,17倍高活性であり、また、現在抗がん剤として臨床適用されているチューブリン阻害剤Paclitaxelより27倍、また、分子量が約350と低分子であることから、重量換算ではKPU-8はPaclitaxelより80倍強力な殺細胞活性を有する化合物であった。
これらの化合物は、腫瘍細胞の増殖を、G2/M cell cycle arrestとBcl-2 hyperphosphorylationを通じて阻害すると共に、Paclitaxelを含むタキサン系化合物に耐性を示す腫瘍細胞に対しても、感受性株と遜色無く殺細胞効果を示すことが明らかとなった。このことから、本助成研究において、我々は、新規な抗腫瘍剤の医薬侯補化合物を開発することに成功し、本研究の目的を果たせたと考えている。今後、医薬品としての開発を進める予定である。また、得られた化合物は、チューブリンの生体機能解明においても有用なツールとなると考えられ、今後は、次期課題として、生体機能プローブ等への利用を考えていく予定である。尚、これらの成果に関する論文は現在準備中である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] E.Ami, Y.Hayashi, Y.Kiso, 他4名: "Synthesis of novel amino acid, L-bis-tetrahydrofuranylglycines"Tetrahedron Letters. 43・16. 2931-2934 (2002)

  • [文献書誌] Y.Hayashi, C, V, Ramesh, Y.Kiso, 他5名: "An Approach for Peptidic Aspartic Protease Inhibitors Using Ala-containing Oligopeptide Independent of the Substrate Sequence"Peptide Science. 2002. 295-296 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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