研究課題/領域番号 |
12672168
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研究機関 | 独立行政法人放射線医学総合研究所 |
研究代表者 |
上田 順市 放射線医学総合研究所, 放射線安全研究センター・レドックス制御研究グループ, チームリーダー (90160168)
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研究分担者 |
竹下 啓蔵 放射線医学総合研究所, 放射線安全研究センター・レドックス制御研究グループ, 主任研究員 (70175438)
小澤 俊彦 放射線医学総合研究所, 理事 (40160858)
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キーワード | 紫外線 / 皮膚 / 活性酸素 / フリーラジカル / In vitro ESR / サーフェイスコイル型共振器 / ヘアレスマウス / PBN |
研究概要 |
サーフェイス・コイル型共振器を用いた電子スピン共鳴(ESR)法により生きた動物皮膚における活性酸素測定法を確立することを目的に実験を行い、以下の結果を得た。 1.前年度水溶性5員環ニトロキシルであるcarbamoyl-PROXYLをプローブとしてヘアレス・マウスに静脈内投与し、背部皮膚の上からサーフェイス・コイル型共振器を当ててESRを測定したところ、紫外線(UVA+B)照射下でESRシグナルの減少速度が速くなることを見いだした。このシグナル消失速度の増加と活性酸素・フリーラジカル生成との関係を明らかにするためにスピントラップ剤PBNをあらかじめ腹腔内投与したマウスで同様に実験を行った。紫外線照射下ではシグナル消失の促進がPBN投与により有意に抑えられた。一方、紫外線の非照射下ではPBNはシグナル消失速度にほとんど影響しなかった。 2.Carbamoyl-PROXYLと活性酸素・フリーラジカルとの反応に及ぼすPBNの効果をin vitroで調べた。Carbamoyl-PROXYLはヒドロキシルラジカル、ペロキシルラジカルとの反応でESRシグナルが消失したが、そのうちPBNによる阻害効果が見られたのはペロキシルラジカルの場合のみだった。 3.皮膚温度、血流速度、血液量をシグナル消失速度と共に同一マウスで測定したところ、シグナル消失速度とこれらの生理学的指標値との間には全く相関性が見られなかった。 以上のことから、サーフェイス・コイル型共振器を用いたESR法で紫外線照射による皮膚でのペロキシルラジカルの生成をモニターできることが示された。
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