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2002 年度 実績報告書

擬似微小重力環境下での骨代謝の変動と薬物による回復

研究課題

研究課題/領域番号 12672177
研究機関帝京大学

研究代表者

川島 光太郎  帝京大学, 薬学部, 教授 (20124993)

研究分担者 中島 正宏  帝京大学, 薬学部, 助手 (10338692)
キーワード擬似微小重力 / 骨芽細胞 / アルカリホスファターゼ / オステオカルシン / 細胞質骨格系 / サイトカラシンB / cAMP / ビタミンD_3
研究概要

昨年度は、骨細胞を用いた研究から、骨組職がクリノスタット培養による擬似微小重力環境下におかれると、骨形成の一時的な減少(骨芽細胞のアルカリホスファターゼ活性の一時的な減少)と継続的な骨吸収の促進(骨芽細胞による継続的なオステオカルシンの合成)により、骨量が減少する可能性を明らかにした。さらに、活性型ビタミンD3は、微小重力環境下でも骨疾患に有効に働く可能性も示した。
本年度は、この現象がどのような細胞内情報伝達系によって制御されているか、明らかにすることを目的とした。
24時間の微小重力環境下で増加したオステオカルシン合成は、細胞質骨格系のアクチンフィラメント形成を阻害するcytochalasin B処理により、著しく抑制された。この時、微小重力環境により減少したアルカリホスファターゼ活性は、何ら影響を受けなかった。なお、微小重力環境に24時間曝された骨芽細胞では、細胞内cAMP量が増加した。また、この傾向は、副甲状腺ホルモンで刺激した場合も変わらなかった。しかし、cytochalasin B処理は、この細胞内cAMP増加現象に何ら影響を与えなかった。すなわち、擬似微小重力は、細胞質骨格系、特にアクチンフィラメントに変化を与え、オステオカルシン合成を促進すること、また、短時間の擬似微小重力によるアルカリホスファターゼ活性の減少と細胞内cAMP量の増加は、細胞質骨格系を介さない経路であらわれることが明らかとなった。高重力負荷の場合は、アルカリホスファターゼ活性、cAMP産生ともにアクチンフィラメントに依存して増加することが明らかとなっているので、今後、これらの違いについて検討を進めると同時に、細胞内cAMPの上昇がどのような機構であらわれるか、cAMPの変動とアルカリホスファターゼ活性やその他の骨芽細胞特異的機能(type Iコラーゲン合成など)との連関についても検討を進めるつもりである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Mio Furutsu: "Bidirectional effects of hypergravity on the growth and differentiated functions of osteoblast-like ROS17/2.8 cells"Biol. Pharm. Bull.. 23(2). 1258-1261 (2000)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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