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2001 年度 実績報告書

ヒト副腎由来の培養細胞を用いたステロイドホルモン産生に及ぼす環境化学物質の影響

研究課題

研究課題/領域番号 12672179
研究機関星薬科大学

研究代表者

中陳 静男  星薬科大学, 薬学部, 教授 (90101576)

キーワードヒト / 副腎 / ステロイドホルモン / 内分泌かく乱化学物質 / 環境化学物質 / 細胞培養 / steroidogenesis / 有機スズ化合物
研究概要

環境由来の化学物質が内在性のステロイドホルモン産生(steroidgenesis)に及ぼす影響を解明する目的で、ヒト副腎由来の培養細胞であるH295Rを用いて、ステロイドホルモン産生に及ぼす環境化学物質の影響を評価するアッセイ法を確立した。このアッセイ系は検体の存在下でジブチルcAMPによりステロイド産生の誘導を行いH295R細胞の産生するコルチゾール産生を測定するもので、in vitroにおいてステロイドホルモン産生に及ぼす影響を迅速かつ簡便に評価することができた。
本年度は、昨年度に続いて環境由来の化学物質、特に内分泌かく乱作用が疑われている物質の中で有機スズ化合物を取り上げ、本アッセイ法を用いてその影響を評価した。ヒト副腎由来のH295R細胞のコルチゾール産生に及ぼすメチルスズ化合物、ブチルスズ化合物、オクチルスズ化合物及びフェニルスズ化合物、計15種を用いてそれぞれの曝露の影響を検討した。その結果、トリブチルスズオキシド(TBTO)、トリブチルスズ(TBT)、ジブチルスズ(DBT)及びトリフェニルスズ(TPT)は0.3-1.0μMの曝露でH295R細胞の産生するコルチゾール産生を有意に抑制した。また、この曝露濃度では細胞毒性の指標とした培養上清に逸脱する有意なLDH活性の上昇はなかった。従ってこれらの有機スズ化合物は細胞毒性が認められない濃度においてH295R細胞のコルチゾール産生を低下することを認めた。さらに、TBTO、TBT、DBT曝露により引き起こされるコルチゾール産生の抑制の作用機序を検討した結果、TBTO、TBTおよびDBTはコルチゾール産生に関与するステロイド合成酵素であるP450c21やP45011βを阻害することが判明した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Nakajin, S., Shinoda, S., Ohno, S., Nakazawa, H., Makino, T.: "Effect of phthalate esters and alkylphenols on steroidogenesis in human adrenocortical H295R cells"Environmental Toxicol. Pharmacol. 10・(3). 103-110 (2001)

  • [文献書誌] Ohno, S., Shinoda, S., Toyoshima, S., Nakazawa, H., Makino, T., Nakajin, S: "Effects of flavonoid phytochemicals on cortisol production and on activities of steroidogenic enzymes in human adrenocortical H295R cells"J. Steroid Biochem. Mol. Biol.. 80(印刷中). (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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