研究課題/領域番号 |
12672187
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
医療社会学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
福井 次矢 京都大学, 医学研究科, 教授 (50208930)
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研究分担者 |
浅井 篤 京都大学, 医学研究科, 助教授 (80283612)
小山 弘 京都大学, 医学研究科, 講師 (90273515)
新保 卓郎 京都大学, 医学研究科, 助教授 (10146582)
大西 基喜 関西国際空港検疫所, 検疫医官(研究員) (90314187)
松井 邦彦 京都大学, 医学研究科, 助手 (80314201)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | 社会的入院 / 入院・退院基準 / 臨床研究 / 医療の質 / 医療費 / 定義 / 分類 / 評価 |
研究概要 |
社会的入院は我が国においては、医療のみでなく社会全体の問題でもある。この問題に適切に対応するためには、最初に社会的入院を客観的に定義した上で現状を調査し、対策を検討し、それを実践した後に再び評価するといった循環的アプローチが必要となる。 本研究では、文献を渉猟して社会的入院を定義し、社会的入院の重要な指標である退院日決定に関する現状を把握するための横断調査(臨床医版と患者版)を行い、今後行うべき社会的入院の評価や対策について検討した。 文献の検討では、我が国では社会的入院について、コンセンサスの得られた定義や分類は存在しないことが明らかになった。社会的入院を評価するためには、その定義を明確にしておくことは欠くことのできないステップであり、本研究で得られた知見をもとに独自の定義・分類案を作成した。 社会的入院を明確に定義することは、医学的入院を定義する必要のあることでもある。したがって、客観的な入院・退院基準を開発することが、社会的入院の効果的な対策になりうることを指摘した。 臨床医および患者の双方について横断調査を行い、退院日の決定において患者側にもlocus of controlのあることが示された。医学的判断のみで退院日を決めると、患者側のlocus of controlをすべて奪うことになり、医療上のトラブルを引き起こすことも予測される。客観的な入退院基準は現場の裁量権を尊重しつつ、慎重に導入していくという配慮が必要になる。 患者を対象とした横断調査では、介護を必要とする患者の社会的入院だけでなく、介護を必要としない患者の社会的入院の存在も重要であることが示された。 本調査の問題点はサンプル数が少なく、調査対象に偏りのあったことである。したがって、結果の一般化には制限があり、今後、全国レベルの調査の行われることが望まれる。
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