研究課題/領域番号 |
12672205
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
松原 和夫 旭川医科大学, 医学部, 教授 (20127533)
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研究分担者 |
上園 崇 旭川医科大学, 医学部, 助手 (70294387)
清水 恵子 旭川医科大学, 医学部, 講師 (90312462)
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キーワード | パーキンソン / N-メチル化 / 代謝 / MPP^+ / ベーターカルボリン / 脳脊髄液 |
研究概要 |
1.パーキンソン病患者における内因性神経毒の活性化あるいは解毒化能の評価 (1)ニコチンアミド負荷試験 パーキンソン病発症原因物質としてあげられる内因性の神経毒は、すべてピリジン骨格を有し窒素のメチル化の後神経毒性を有する。これらの神経毒と同様な骨格を有するニコチンアミドをパーキンソン病患者およびその他の神経疾患患者に投与し、尿中の代謝物の割合からメチル化能ならびに解毒化に関与するアルデヒドオキシダーゼ及びP450の代謝能とパーキンソン病との関連を検討した。その結果、若年のパーキンソン病患者においてメチル化能が有意に高いことが判明した。このメチル化活性は、加齢とともに減少し、その減少率もパーキンソン病患者で高率であった。 (2)脳脊髄液中のニコチンアミドN-メチル転移酵素活性 パーキンソン病患者およびその他の神経疾患患者脳脊髄液中のニコチンアミドN-メチル転移酵素活性をウエスタンプロット法により測定した。この結果も、ニコチンアミド負荷試験と同様な結果であった。従って、パーキンソン病発症前において、ピリジン骨格のメチル化能が極めて高いことが病態発症の重要な要因となる可能性が示唆された。 2.β-カルボリンによるドパミン神経細胞死の機構解明 人神経芽細胞腫由来であるSH-SY5S細胞を用いて、内因的なパーキンソン病誘発物質候補であるβ-カルボリンによるドパミン神経細胞死の機構を検討した。その結果、生体内に存在するノルハーマンは、アポトーシスを誘発することが判明した。また、β-カルボリンによる毒性は、ミトコンドリア障害がプライマリーであり、その毒性はモノアミン水酸化酵素選択的阻害薬であるL-deprenylによって抑制された。
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