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2001 年度 実績報告書

薬物相互作用の原因となるヒトCYP3A誘導の生体内分子機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 12672207
研究機関東北大学

研究代表者

永田 清  東北大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (80189133)

研究分担者 宮田 昌明  東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (90239418)
キーワードP450 / CYP3A4 / Induction / Adenovirus / human / in vivo / cis-element
研究概要

昨年度の本研究はCYP3A4誘導機構の解明をin vitroでおこなったが、本年度は、昨年度の研究結果を基にCYP3A4誘導に関与するcis-elementとアデノウイルスベクター発現系を用いてin vitroでCYP3A4誘導の検討を行った。すなわち、ルシフェラーゼをレポーター遺伝子とし、CYP3A4遺伝子のプロモーター部位(+11〜-362)のみを持つAdCYP3A4-362、またプロモーター部位とエンハンサー部位(-7.2k〜7.8k)を組み込んだアデノウイルスAdCYP3A4-362-7k、そしてhPXRを発現する組換えアデノウイルスAdhPXRをCOS-TPC法により作製した。
まず、作成したウイルスを評価するために、ヒト肝癌由来HepG2細胞にAdCYP3A4-362を感染させ各種の誘導剤を検討したところ、抗真菌薬クロトリマゾールとデキサメサゾンによりルシフェラーゼ遺伝子の転写活性化が認められ、AdhPXRの共感染によりクロトリマゾールによる誘導が強められた。しかし、CYP3A4の代表的誘導剤である抗生物質リファンピシンでは転写活性化が認められなかった。次に、AdCYP3A4-362-7kを用いて同様の実験をおこなったところ、クロトリマゾールで強い応答が認められたのみならず、リファンピシンでも高い活性が認められ、それぞれAdhPXRの感染により増強された。
そこで、クロトリマゾールで強い応答が認められたAdCYP3A4-362-7kとAdhPXRを用いてマウスにおける検討を行った。その結果マウス肝臓において薬物による強いルシフェラーゼ活性の上昇が確認された。また予想通り、デキサメサゾンではAdhPXRによる効果があまりみられなかったが、リファンピシンではその効果が強く認められた。ラットでもAdhPXRの併用によるhPXRの強発現下でリファンピシンの転写活性化作用が強められ、in vivoにおいてもPXRがCYP3A誘導の種差を規定する主要因子であることが判明した。しかし、in vivoにおける今回の研究結果よりCYP3A4誘導の分子機構は、PXRの関与のみでは十分に説明できず、他の転写因子の関与・あるいは新たなcis-elementの存在が示唆され、CYP3A4誘導の解明には、今後さらなる研究が必要であることがわかった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] M.Ogino, K.Nagata, Y.Yamazoe: "Selective suppression of human CYP3A form, CYP3A7, by troglitazone in HepG2 cells"Drug Metab. Pharmacokin. 17. 42-46 (2002)

  • [文献書誌] .M.Furukawa, T.Okubo, M.Ogino, T.Yamazaki, M.Shimada, K.Nagata, Y.Yamazoe: "Adenovirus vector-mediated reporter system for in vivo analysis of the human CYP3A gene activation"J. Biochem.. 131. 71-78 (2002)

  • [文献書誌] 永田 清、荻野淳、山崎 亨、大久保貴之、高田智成、古川正幸、山添 康: "ヒトCYP3A誘導の分子機構"薬物動態. 16. 485-490 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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