研究課題/領域番号 |
12672211
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
梅村 和夫 浜松医科大学, 医学部, 教授 (40232912)
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研究分担者 |
池田 康彦 浜松医科大学, 医学部, 助手 (50293618)
近藤 一直 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (90270983)
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キーワード | 脳梗塞 / 虚血・再灌流 / GPIIb / IIIa |
研究概要 |
Cyclic flow reductionが観察できるモデルを開発した。白色兎あるいはモルモットをイソフルレン麻酔下で実験した。手術用顕微鏡下に頭蓋底をドリルで開頭し、中大脳動脈を明視下に置き、末梢側に血流を測定するパルスドップラー血流計のプローベを装着し血流をモニターした。その中枢側に緑色光を照射した。静脈内に色素であるローズベンガルを投与した。ローズベンガルと緑色光により一重項酸素が発生し、それが血管内皮を選択的に傷害する原理を用いた。今までの検討から、血管内皮を傷害することで血栓が形成され、血流が低下する。その後血流は停止するが、数分すると血流が再開する。この現象が繰り返されるが、これをcyclic flow reductionという。我々は、ローズベンガルの濃度と緑色光の光度を調節することでcyclic flow reductionが観察できるモデルを開発した。Cyclic flow reductionはトロンボキサンA2の産生抑制やプロスタグランジンI2の産生亢進により抑制できることが分かった。 このモデルにおいて、24時間後の梗塞面積はcyclic flow reductionが継続的に観察される動物において、より拡大することが分かった。別の実験で、cyclic flow reductionが脳梗塞進展に関与しているかどうかを検討する目的で抗血小板薬であるGP IIb/IIIa拮抗薬を用いて検討した。GP IIb/IIIa拮抗薬はcyclic flow reductionを抑制し梗塞面積を縮小した。これから、cyclic flow reductionは脳梗塞進展において重要な役割をしていることが示唆された。
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