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2001 年度 実績報告書

虚血性心疾患の予後改善に寄与する内在性血管新生および内皮細胞修復促進物質の解析

研究課題

研究課題/領域番号 12672222
研究機関昭和大学

研究代表者

山元 俊憲  昭和大学, 薬学部, 教授 (30112741)

研究分担者 保田 晶子  昭和大学, 薬学部, 助手 (30260079)
清水 俊一  昭和大学, 薬学部, 助教授 (60196516)
キーワード虚血性心疾患 / 血管新生 / BH4 / 血管内皮細胞
研究概要

我々は、これまでに血管内皮細胞に存在する一酸化窒素合成酵素(NOS)が、補酵素であるtetrahydrobiopterin(BH4)が低下するとNOの変わりに活性酸素を遊離し、外因性BH4はこの合成酵素の機能異常を改善するのと同時に抗酸化作用を有し、活性酸素による血管内皮細胞障害を抑制することを明らかにした。また、BH4が血管新生促進作用も有することを見出した。本研究では、虚血再還流による組織障害に対するBH4の保護効果およびその機序について検討を進めた。虚血組織には好中球浸潤が見られることから、まず活性化好中球添加による内皮細胞障害モデルを作成し、BH4の影響を検討した。細胞内BH4含量の増加は好中球を添加することにより惹起した内皮細胞障害を抑制した。また、細胞障害を起こさない量の活性化好中球が血管新生促進作用を有することも観察した。このようにBH4は虚血再還流による組織障害の原因の一つである好中球による内皮細胞障害を抑制し、また、好中球は虚血に対する生体防御機構である血管新生を促進することを見出した。BH4は血管新生促進作用を有するので、好中球による血管新生を促進し、虚血を保護する可能性が考えられる。そこでin vivo虚血再還流モデルにおけるBH4の影響を検討したところ、BH4は虚血再還流によるラット急性胃粘膜病変を縮小し、ラット心筋梗塞モデルにおいても梗塞部位を縮小させた。以上の結果から、BH4は虚血再還流から組織を保護し、その機構の少なくとも一部に、活性化好中球により誘導される血管新生の助長が関与している可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Masakazu Ishii: "Involvement of reactive oxygen species and nitric oxide in gastric ischemia-reperfusion injury in rats : protective effect of tetrahydrobiopterin"Dig.Dis.Sci.. 45. 93-98 (2000)

  • [文献書誌] Masako Yasuda: "A novel effect of polymorphonuclear leukocytes in the facilitation of angiogenesis"Life Sci.. 14. 2113-2121 (2000)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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