研究概要 |
コルチゾール/コルチゾンの相互変換に関する代謝異常は、コルチゾールを生体に投与し、投与したコルチゾールの体内動態を把握することにより正確に評価できる。しかしながら、コルチゾールは本来生体内に存在しているため、この内因性のコルチゾールと区別して、投与した外因性のコルチゾールを測定する必要がある。本研究では、コルチゾール/コルチゾンの相互変換に関する代謝異常機構を解析するため、安定同位体標識ステロイドを投与し、投与由来と内因性ステロイドの挙動を区別して同時に追跡し、注目するステロイドの体内動態を正確に把握することを目的としている。 平成13年度においては、健常成人男子1名に、3mgの安定同位体標識コルチゾール(cortisol-[^<13>C_4])を経口投与し、1) cortisol-[^<13>C_4]およびcortisone-[^<13>C_4]の血中濃度推移と尿中排泄速度を[^<13>C_4,^2H_5]標識cortisol,cortisoneを分析の内部標準として用いるGC-MS法により内因性コルチゾールおよびコルチゾン濃度と同時に測定し、コルチゾールの体内動態とコルチゾール→コルチゾンの代謝変換に関し検討した。2) cortisol-[^<13>C_4]およびcortisone-[^<13>C_4]のtetrahydro型代謝物(THF-[^<13>C_4],alloTHF-[^<13>C_4],THE-[^<13>C_4])の尿中濃度を[^<13>C_4,^2H_5]標識THF,alloTHF,THEを分析の内部標準として用いるGC-MS法により内因性THF,alloTHF,THEと同時に測定し、tetrahydro型代謝物の尿排泄データを基にコルチゾール→コルチゾンの代謝変換に関し検討した。
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