研究課題/領域番号 |
12672244
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
水野 昭 徳島大学, 医学部・附属病院, 助手 (80219641)
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研究分担者 |
野間 喜彦 徳島大学, 医学部・附属病院, 講師 (10218349)
桑島 正道 徳島大学, 医学部, 助教授 (00205262)
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キーワード | インスリン抵抗性 / 2型糖尿病 / 肝硬変 / 門脈グルコースセンサー / 血小板 |
研究概要 |
血小板でのインスリン感受性が慢性肝疾患者では低下しない場合が多いことより、肝硬変者60名を対象として簡易法とグルコースクランプを併用して検討を行った。その結果、血小板を用いた簡易法で求めたインスリン感受性は末梢性のみのインスリン抵抗性を反映し、肝臓のインスリン抵抗性を反映しないことを明らかにした。さらに、グルコースクランプ時に経口ブドウ糖負荷し、その際のCペプチド反応性を評価することにより門脈ブドウ糖センサー(portal glucosensor : PGS)機能を評価しうることが判明し、糖尿病患者を体重別に3群し、かつ肥満者を耐糖能障害の有無で2群し、正常者を対照として検討した。その結果、2型糖尿病患者では糖尿病発症前よりPGS機能障害が存在することが明らかとなり、インスリン抵抗性は存在するが耐糖能異常のない単純肥満者ではPGSが障害されていないことが判明した。さらに、肝硬変患者ではPGSが2型糖尿病患者と同様に障害されていることも明らかとなった。このようにPGS障害が肝硬変患者や糖尿病患者での食後過血糖を中心として耐糖能障害と関連する可能性を見いだした。さらに、インスリン-相分泌障害は2型糖尿病の早期より認められるが、この障害はインスリン抵抗性と相関しないこと、PBS機能が肝ブドウ糖取り込みにも密接に関係していることから、この異常が2型糖尿病における耐糖能障害に大きく関与する可能性が示唆され、現在、ヒトおよび動物実験モデルを用いて検討中である。また、レプチンの生理作用として交感神経や副交感神経を介してインスリンおよびグルカゴン分泌を調節すること、またレプチンが末梢での糖の取り込みを促進し、逆に肝での糖の取り込みを抑制することによって、食後の糖の恒常性を維持していることを示し、レプチンが生体内での糖代謝に重要な関連性があることを明らかにした。
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