1 方法論の確立 (1)プライマーの取り込み-試験管内で生細胞中にカチオン脂質を担体としてテロメレースによるテロメアDNA伸長反応用のプライマーを取り込ませる。LIPOFECTINとOPTI-MEM(いずれもライフテエク・オリエンタル社製)の組み合わせが最適であった。反応時間は室温30分で十分であった。 (2)テロメレース反応-37℃2時間までにテロメレースによる伸長反応はプラトーに達したので、反応時間は2時間とした。 (3)スライドグラスへの貼り付けと固定-テロメレース反応終了後、サイトスピンにより細胞を貼り付けたがその際、その後の操作で細胞が剥がれ難いようシランコートのスライドガラスを使用した。乾燥後パラフォルムアルデヒドで細胞を固定。ホルマリンをグリシン入りPBSで中和後、エタノールで脱水後風乾した。 (4)タンパク変性処理-37℃15分プロテネース処理と洗浄を行うことで細胞内へのプライマーやポリメレースの浸潤を容易にした。 (5)in situ PCR-プライマー、ポリメレース、バッファーを含むPCR反応液をスライドグラスにのせた後PCR反応を行った。バッファーの蒸発を防ぐ目的で、カバーデスク(ABI社)を使用した。PCRの反応条件は、94度15秒、53度30秒、72度60秒の27サイクルが最適と思われた。PCR反応終了後スライドグラスを洗浄してバックグランドを少なくした。 (6)in situ hybridization-テロメア配列(TTAGGG)nに相補的なプローブをビオチンラベルし、96度5分熱変性したPCR産物と42度12時間ハイブリダイゼーションを行なった。 (7)発色反応と形態の同定-洗浄後ぺルオキシダーゼをラベルしたアビジンと反応させ、発色後へマトキシリンで核染色を行なった。
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