研究概要 |
(1)方法の立証 正常リンパ球はPHA刺激でテロメレース活性が誘導されること、白血球細胞株HL60はビタミンAやビタミンDによる分化誘導で、テロメレース活性が消失することを利用し,実際にin situテロメレース法で一個当たりの細胞レベルでのテロメレース活性の変動の有無を確認した。これにより方法論の正しいことを細胞レベルで立証した。 (2)in situテロメレース活性測定の応用 (1)テロメレース活性の細胞内局在の有無や細胞の増殖や分化に伴うダイナミックな変化を顕微鏡下で同定した。 (2)浮遊細胞のみでなく、凍結組織切片でもin situテロメレース法を可能にした。 その際のスライドグラスへの貼り付けと固定は、テロメレース反応終了後、その後の操作で細胞が剥がれ難いようシランコートのスライドガラスを使用した。乾燥後パラフォルムアルデヒドで細胞を固定。ホルマリンをグリシン入りPBSナ中和後、エタノールで脱水後風乾した。タンパク変性処理は37℃30分と長めにプロテネース処理と洗浄を行うことで細胞内へのプライマーやポリメレースの浸潤を容易にした。 in situ PCRはPCR反応液の蒸発を防ぐ目的で、カバーデスク(ABI社)を使用した。PCRの反応条件は、94度15秒、53度30秒、72度60秒のスリーステップが最適と思われた。PCR反応終了後スライドグラスを洗浄してバックグランドを少なくした。 (3)各種モノクローナル抗体を使った免疫染色とin situテロメレース活性の測定を組み合わせることにより、細胞種の同定とテロメレース活性の関連を正確に把握することを試みた。このための反応条件やブロッキングの方法などの基礎的検討を行った。 (3)以上の結果を論文にして投稿準備中である。
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