研究課題/領域番号 |
12672256
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態検査学
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
河野 均也 日本大学, 医学部, 教授 (60059368)
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研究分担者 |
星野 忠 日本大学, 医学部, 助手 (90219171)
矢内 充 日本大学, 医学部, 講師 (90267089)
土屋 達行 日本大学, 医学部, 講師 (40102488)
林 国樹 日本大学, 医学部, 助手 (20246888)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | 腫瘍マーカー / CA19-9 / CEA / PSA / 施設間差 / キット間差 / 外部制度管理調査 |
研究概要 |
現在、国内で使用されているCA19-9測定キットのうち、国際試薬、ダイアヤトロン、ダイナボット、東ソーイエル、富士レビオ、和光純薬各社の標準液(キャリブレーター)を附属3病院の各検査室において測定し、したところ、検体の希釈を必要としない濃度域においては、最大で約6倍の測定値の差が認められた。 CA19-9測定の標準法とされているRIA法(セントコア社)による測定値を対照とした時の実検体における相関(回帰式)は、附属3病院においてそれぞれy=0.773x+9.961(富士レビオ)、y=0.419x+14.090(ダイナボット)、y=0.256x+18.371(ダイアヤトロン)ときわめて大きなキット間差が認められた。そこで、これらの測定値を近似させるために、今回測定した各社のキャリブレーターの理論値と実測値との関係においてRIA法との傾きがもっとも1に近い国際試薬のキャリブレーターを仮の標準物質として測定した場合の測定値を計算式から求めたところ、附属3病院でそれぞれ回帰式の傾きがy=0.655x、y=0.604x、y=0.459xとなり、補正前よりも近似した測定値を得ることが可能と推定された。さらに、附属3病院で使用しているCA19-9測定キットのキャリブレーターについて、ゲル濾過による分析を行ったところ、富士レビオ、ダイナボット各社は、おおむね同一フラクションにピークを持つものの、その測定値はまちまちであった。また、ダイアヤトロンのキャリブレーターについては2峰性のピークが観察され、各メーカー独自のキヤリブレーターを使用していることが判明した。以上のことから、抗CA19-9抗体としてNS19-9を使用している測定系(富士レビオ、ダイナボット)については、標準物質を統一することで、その測定値を近似させることが可能と考えられた。しかしながら、NS19-9以外のモノクローナル抗体を使用しているキット(ダイアヤトロン)に関しては、標準物質の統一のみではその測定値を近似させることはかなり難しいことが示唆された。
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