研究課題/領域番号 |
12672278
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研究機関 | 大分医科大学 |
研究代表者 |
田中 妙 大分医科大学, 医学部, 助手 (60284816)
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研究分担者 |
三宮 美紀 大分医科大学, 医学部, 助手 (70325728)
井手 知恵子 大分医科大学, 医学部, 助教授 (00232421)
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キーワード | 企画調整 / コーディネーション / 市町村保健婦 / 保健所保健婦 |
研究概要 |
目的:「行政で働く看護職の教育・企画調整機能」の概念の検討 方法:共同研究者との検討及び文献を用いての検討 結果・考察:過去10年間の医学中央雑誌の検索で、キーワード「企画調整」「コーディネーション」の中から本研究と関連する文献は40あった。文献検討で「看護職の教育・企画調整機能」は、高齢社会の進展による介護ニーズの増大、医療費の増加による在宅ケアへの推進、個人の意思決定やQOLの重視により調整機能が求められていった。また保健医療福祉等の施設間や職種間との協働活動、システム・環境づくり等の企画機能が求められていった時代背景がある。結果、看護職の機能は拡大し「ケアマネージメント」「ケアコーディネーション」という用語が介護保険開始前より使用されるとともに、それらの研修や実践・研究が重視され、積み上げられていることを確認した。筆者らの検討では、「企画調整機能」という用語が使用される前からそういう能力に長けた看護職は存在し連携やシステムづくりの達人や障害者団体の育成、施策・制度の改善等をもたらす実践は多々ある。直接の成果はなくとも、人間関係や関係機関との調整により事業が発展し、住民サービスの向上がもたらされた実践も多い。また、事業名に「企画・調整」の用語が用いられても、実際は、人間関係やシステムのまずさにより事業展開が困難となりサービスの低下を招いた事例もある。そこで、我々は「行政で働く看護職の教育・企画調整機能」とは保健所・市町村保健婦の意図と行為の中で、職場、関係機関、住民との間で、関係改善、事業発展、住民参加や住民サービスの向上をもたらすために働いた機能を企画調整機能と考える。それらの成果は職場や関係機関の働きやすさ、事業や組織発展、住民の健康レベルや生活レベル、QOLの向上につながるものと考える。
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