大分県下の行政における看護職の教育・企画調整機能の基礎資料とするため、他地域の保健所保健婦7人に対して、「教育・企画調整機能について」のグループインタビューを行った。 企画調整部門は、平成6年の地域保健法の制定と同時に、総務課と事業課との兼務発令で保健相談主査として企画調整部門に初めて保健婦が配置された。次に、平成10年の機構改革により企画総務課の保健相談主査として、平成13年には企画総務課に企画調整部門の係として独立し、現在、26保健所のうち21保健所に企画調整担当係長として保健婦が配置されている。 企画調整担当保健婦の所属や職位が変化する中、システム化することで看護職としての企画調整機能が発揮できることや発展可能なことについての検討を行った。 平成6年の初設置以降、「何をやっていいのかわからない」といった手探りの状況から、地域の問題を保健所内外に還元し、地域の相談体制の整備やネットワーク作りなど地域の状況に応じて行ってきた。このような中で、企画調整担当保健婦として最も意識していたのは、地域の問題を企画総務課内の保健婦として他職種に伝えていくことであった。そのためには事業課の一保健婦よりは企画調整担当係長の方が機能を発揮しやすく、所属や職位は企画調整機能を発揮するための1つの条件であることが確認できた。また、その根底には保健婦として地域・個人を見てきたアセスメントや判断が積み重なって初めて企画調整に活かされていることが示唆された。 今後の課題としては、「保健所組織の統括」「保健所全体としての機能強化」など保健所組織の体制づくりが急務であることが確認できた。
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