研究課題/領域番号 |
12672283
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
稲葉 佳江 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (90159955)
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研究分担者 |
木口 幸子 札幌医科大学, 保健医療学部, 助手 (70311892)
堀口 雅美 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (10217185)
大日向 輝美 札幌医科大学, 保健医療学部, 助教授 (30223944)
福良 薫 札幌医科大学, 保健医療学部, 助手 (30299713)
田野 英里香 札幌医科大学, 保健医療学部, 助手 (90336412)
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キーワード | 看護倫理教育 / 教育方法 / 教材開発 / モラルの発達 |
研究概要 |
目的 1 本研究の目的:看護学生のモラルの発達と倫理的判断能力を促進する事例の教材化を目的に、学生のモラル感覚と臨地実習での看護ケア場面での倫理的体験の実態調査を実施し、学生の実態に見合った事例教材の作成とCAI学習用シミュレーションプログラムを開発する。 2 平成15年度の目的:昨年度評価をもとに修正した看護事例と授業プログラムを実践し、分析・考察する。さらにCAI学習プログラムの可能性の検討と4年間の研究成果と課題を明らかにする。 実施状況 1 2年次の看護大学生を対象に、授業計画に沿った授業を実施し、評価した。 1)昨年度の評価をもとに「看護倫理」の授業計画を一部修正し、授業を実施した。 2)授業では、現実の看護における対立点の定立と社会的認識の形成を強化する目的で、事例と発問の一部を修正し、人間と看護の本質に照応した看護倫理の三つの観点をもとに倫理的矛盾や対立を定立し、その矛盾の解決として看護の科学性と実践的に統合した倫理判断に至るよう授業を展開した。評価は、授業場面を撮影したビデオ映像、授業に対する感想文、レポート等を用いて行った。 3)この結果、学生は対象者の生命の安全とより人間らしい生命活動(安楽・自立・自律)が対立すること、しかもそれは看護体制の現実に規定されることを認識していた。最終的にはこれらを目的的に総合した実践的判断に至るとともに、看護の改善点を展望していた。 4)事例への取り組みによる科学的認識の形成のほか、グループでの協同活動自体が倫理観や態度形成を促進していた。 3 これらを総合すると、今回の事例教材と授業プログラムは、看護倫理の基礎的な概念形成に効果があり、初学の看護学生の倫理性を高めるために有効であることが明らかになった。しかし、社会的認識の形成については十分とはいえず、事例と設問、授業計画のさらなる検討が課題として残された。また、CAI学習プログラムの開発も今後の課題として継続検討する予定である。
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