研究概要 |
1.「たのしみ経験」について:概念について検討し、その要素を明らかにし,構造化を試みた。すなわち「たのしみ経験」は8要素から構成され、各世代に共通する4要素(Iからだ-身体性-、II思考・知性、III心情、IV関係性・コミュニケーション)および世代により異なる要素(V生活、VI新しい意味のある経験、VII子育て・世話 VIII社会参加や仕事・自己実現)が明らかになった。またこれらは「個人」「状況」および「世代」により構造化された。 2.「たのしみ経験」の内容を量、性別、内容別、共有する相手(家族、友人、一人)や健康等の視点から検討し、それが世代や時期について変化していくが同時に共通部分があることを実証した。 3「たのしみ経験」について、1910年から1980年まで対象者の出生年別に再分類し、コホート的視点からその内容等について検討し、「たのしみ経験」の時代による違いを明らかにした。 4.「たのしみ経験」について、都内のインターナショナルスクールの生徒と対象とした調査を行い、文化的比較研究をを行い、国籍や生育環境の相違による差について検討した。 5.「たのしみ経験」を描画を用いることにより、分析しその意味を明らかにすることを試みた。 6.高齢者の「たのしみ経験」について、インタビューを用い、ライフレビュー法を用いて検討した。高齢者の「たのしみ経験」はその人の人生の生き方と深く関連し、各時期別に「たのしみ経験」は異なるものの、生涯を通して共通する要素があり、人生において一貫した「たのしみ経験」とそれを構成する要素があることを明らかにした。 7.以上の分析のなかで「たのしみ経験」,が人の健康やQOLに深く関連する一指標として有効であることを実証した。
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