研究分担者 |
八尋 道子 長野県看護大学, 看護学部, 助手 (10326100)
唐澤 由美子 長野県看護大学, 看護学部, 助教授 (40277893)
小西 恵美子 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (70011054)
DAVIS Anne J 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (70291573)
真弓 尚也 長野県看護大学, 看護学部, 助手 (10315848)
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研究概要 |
H14年度は,今までの患者情報プライパシー研究成果の一部を米国看護情報学の国際集会(SINI2002)で発表し,日米の病棟看護における患者のプライバシーへの配慮に関する違いについて議論するとともに,参加者への質問紙調査を行った。59名の参加者から回答が得られ(回収率59%),日米間の以下の違いが明らかになった。患者がどのようにプライバシー上の問題を感じているかに関する看護師の認知と看護師自身が自分の問題としてプライバシー上の問題をどのようにとらえているかの質問した結果,1.ケア上必要となる「陰部の様子」は日米ともに最もプライバシー性が高い情報であったが,2.排泄の様子については米国看護師は日本ほど高いスコアを与えていなかった。3.同様の項目を比較すると,日本の看護師が,自身のプライバシーと患者のプライバシーを同程度に高いものとして回答し,さらに経済状態,勤務先等については,患者の方をより高く回答していたのに対し,米国看護師は,学歴以外の項目は全体に患者のプライバシー性をより低く回答していた。以上の結果は,プライバシーという概念が社会的により浸透している米国と比べて,我が国ではまだ,権利等として十分に発達しておらず,看護師が自身の問題と同じように患者のプライバシーを考えざるを得なかった可能性が示唆された。 より高い質のケアを提供するためには,患者情報の共有は不可欠である。H12年度からの研究によって以上の結果の他,1.施設を超えた情報共有に際して,患者の事前了解の必要性という観点から看護師が過剰に慎重である可能性,2.介護保険の要介護度認定においては,排泄に関する情報の収集に抵抗を感じながらも,「世話を受ける」見返りに情報提供をせざるを得ない受給者の存在の可能性などが示され,今後,看護職が患者のプライバシーについてさらに理解し,実践に反映していくことの必要性が明らかになった。
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