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2003 年度 実績報告書

遠隔看護をサポートする遠隔看護システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 12672292
研究機関武庫川女子大学

研究代表者

太田 健一  武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (20254451)

研究分担者 川口 孝泰  筑波大学, 社会医学系, 教授 (40214613)
キーワード遠隔看護 / 身体揺らぎ / ビデオメール / インターネット / 画像処理 / 表情 / パーキンソン病 / 音楽療法
研究概要

ビデオメールを活用した遠隔看護システムの実用化を図ることを目的として、パーキンソン病患者の音楽療法における表情の回復過程を評価する手法の開発を試みた。
パーキンソン病は能面症状に表れるように筋肉の活発な動きを失うもので、この治療にはさまざまな試みがなされている。そのなかで、長期間にわたる音楽療法が注目されている。これは、患者に自発的な動きを促そうとするもので、リハビリ中の患者の好みに合った音楽とリズムに合わせた運動を補助し、失った運動の勘を取り戻すことを目的としている。しかし、このリハビリ過程において、その療法に効果があるのかどうか、あるいはどの程度の回復が得られたかなどを客観的に評価する手法は確立されていない。そこで、およそ7ヶ月にわたる期間における患者のリハビリの様子をビデオで観察し、ピデオイメージから表情の活性化の解析を実施した。
ビデオ映像をフレームとしてのイメージ(1秒間毎に30イメージ)に分解し、患者の身体の揺れを、各フレームにおける頭部の位置変化から計測した。また、表情の回復を確認する目的で、患者の表情における口唇の広がりの変化を解析する手法を開発した。表情の中で、最も大きな形状の変化が見られるのが口唇の左右への広がりであり、最も変化しないのが左右の目頭の間隔である。そこで、個人毎の基準長さとして目頭間距離を計測し、表情変化の目安として口唇長さと目頭間距離との比率を時系列情報として抽出した。このような比率とすることで、患者の顔の向きやビデオカメラとの距離、撮影時の光学的な倍率などの影響を最小限に留めることが出来た。
このようなシステムのプロトタイプを開発し、その運用を試験的に実施したところ、リハビリの初期、中期、後期において同程度の会話と思われる状況を比較した結果、患者の回復の状況を主観的な判断のみならず客観的に評価することが可能となったほか、遠隔にて観察する手法として有効であることを確認した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 川口孝泰, 東ますみ: "地域ケア支援に向けた遠隔看護システムの開発"兵庫県立看護大学附属研究所推進センター研究報告集. 1. 1-6 (2003)

  • [文献書誌] 東ますみ, 川口孝泰: "遠隔看護システムを用いた看護の実際-その1 指尖容積脈波を用いたバイタルサイン情報の活用とその有用性-"兵庫県立看護大学附属研究所推進センター研究報告集. 1. 7-12 (2003)

  • [文献書誌] 東ますみ, 川口孝泰: "遠隔看護システムを用いた看護の実際-その2 糖尿病患者に対する在宅型看護支援に活用して-"兵庫県立看護大学附属研究所推進センター研究報告集. 1. 13-18 (2003)

  • [文献書誌] 東ますみ, 川口孝泰, 太田健一, 南裕子: "ユビキタス情報社会に向けた遠隔看護支援システムの開発に関する研究"医療技術評価総合研究事業H14-医療-070. (2003)

  • [文献書誌] 川口孝泰, 東ますみ: "IT時代の看護技術-遠隔看護(テレナーシング)の実際-"日本看護技術学会誌. 2. 50-54 (2003)

  • [文献書誌] 川口孝泰: "ICTが看護実践および看護研究に及ぼす影響"保健の科学. 45. 713-717 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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