本研究の目的は、地域ケア活動を推進していくために、地域住民との協働がどのように形成されているかを明らかにし、協働を発展させるための効果的な看護介入を開発することである。 平成12年度は、先駆的に住民との協働活動を実施している地域の事例について、文献や報告書から検索し、住民との協働関係、協働活動の内容、協働関係や協働活動に関係している要因などに焦点を当てて情報を収集し、整理した。また、協働の概念を検討し、事例を分析すると共に「住民との協働」の枠組みを検討した。平成13年度は、住民との協働活動の場面として、コミュニティミーティングを実施し、その中で住民とともに地域の健康問題を明らかにし、対策を検討した。そして、コミュニティミーティングにおける看護者の役割について検討した。平成14年度は、平成13年度に収集したデータと分析をもとにして、住民及び保健婦へのインタビューによるデータ収集を実施した。また、データ分析を継続し、住民との協働を推進する要因、阻害する要因、さらに協働関係・協働活動が個々の住民、看護者、関連職種、コミュニティにどのような影響を及ぼすのかについて、などの視点で分析を行った。
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