研究概要 |
これまでの研究においては,部分問題を「ある看護婦のスケジュールを,その他の看護婦をあるスケジュールに固定した下で,縦の条件を満たさない度合いや目標との差を最小化するよう決定する問題」と定義し,部分問題を繰り返し解く枠組みを作ることで,2交替の問題については,効率よく問題を解くことに成功している.そこで,我々が1996年に提案した定式化に対し,部分問題を意識できるように,拘束条件と目的関数の表現の変更をおこなった.さらに,前定式化では,縦の条件である「各勤務に必要な看護婦数の上下限拘束」を,合計人数と特定のグループとに分けて表現していたが,これらをまとめ,看護婦全員を1つのグループとして扱った. また,2交替にも3交替にも有効なアルゴリズムを構築するために,勤務の次元で切り分けることをしないアルゴリズムを考案し,その開発を行った.計算実験においては,部分問題を解くのに,一時的に,分子限定法を利用して勤務表を作成した.処理時間には大きな問題を抱えているものの,部分問題をもっと効率よく扱えるアルゴリズムを作成して置き換えることにより,有効なアルゴリズムを構築できることがわかった. 勤務表作成データについては,実際の病院で勤務表を作成する際に考慮されている条件等について聞き取り調査をおこない,その整理をおこなった.聞き取った条件を,ナース・スケジューリングの入力データに変換するソフトも構築した. 勤務表作成支援システムにおいては,そのインタフェースが非常に重要であるため,勤務表作成の作業のタスク分析をおこない,この作業を支援できる3つの機能を明らかにした.
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