研究概要 |
1.本年度研究実施計画にそって行なってきたことから、明らかになったインターネット上の相談の実態と問題点を述べる。 (1)ホームページ検索から YAHOO,GOOをデータベースとして、関連キーワードの組み合わせにより行なった62検索から遺伝関連サイト11(内医療施設開設4、患者関係者開設7)、比較対照として一般疾患関連2について検討を行なった。その結果、実態として、(1)一般向けと専門家向けの内容が分けてあり、専門家向けの部分には登録が求められる場合が多い(2)個別相談を実施いるHPは1件で、emailにより行なわれており、「相談内容はスタッフ・専門医以外には流出しない」と記載されていた(3)掲示板上で個人情報を一般化して載せているものがあり、チャットは1件あった。(4)関連HPへのリンクがどのHPでもあったが、充実度は様々であった。問題として、(1)HPでは匿名性が高いため、個別相談は不可能(2)あくまで一般論として、あるいは専門医に相談してください式の回答にならざるを得ない(3)emailでの個別相談は、情報のセキュリティシステムの確立が不可欠であることが明らかになった。 (2)患者会からの聞き取りから HPに期待することは、受診時にはなかなか聞けない内容として、(1)疾患の説明(2)検査の目的・内容、結果の読みとり方(3)セカンドオピニオンの求め方(4)症状のちょっとした理由といった情報の入手があげられた。 (3)法律専門家から HP形式にするか、メール方式にするかによってプライバシーの保護対応は大きく異なる。相談内容に関する法的責任は、専門職であることから回答には注意義務が伴うと考えるべきである。 2.次年度の課題として、上記事前調査をふまえ、本研究ではあくまで匿名性の高いHP、掲示板活用の相談の一般化(多くの人に役立つものにする)、これまでのHPにはない検査に関する情報提供を主とする、リンク先の充実を目指すことを基本に試作する。
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