1.ホームページ"Gen-Nurse"を7月に公開した。内容は常染色体優性遺伝の多発性嚢胞腎を持つ人や家族を対象としたもので、疾患の説明、遺伝の仕組み、検査の意味とその内容および検査を受ける時の注意点、その他情報提供である。掲示板による意見交換の場は、当事者団体のホームページがすでに存在し、活用されているので設けなかった。 患者会の方5名と、医師2名に公開に先立ち評価を依頼した。その結果、患者会の方からは内容が非常にわかりやすく知りたかったことが情報として提供されている。医師からは、このような情報の提供の仕方を、医師もしてゆかなくてはならないということがわかったという評価だった。リンク先としては、患者会である「PKDの会」と「東海エコーカンファレエンス」という検査技師の方々の集まりから要請があった。研究者の方からは、「日本遺伝看護研究会」のホームページとのリンクを今後してゆく予定である。現在アクセス数は1500件余りとなっており、内容が狭い範囲であること、内容の更新が物理的にタイムリーにできないので、常時アクセスする人を確保できていないことが今後の課題である。 2.ホームページを通じてメールにより相談してきた中で、研究者が看護職者としで専門知識を用いて相談を行わなければならなかったものは、療養上の問題、遺伝の問題、医師・医療機関の紹介などでであった。これらの中には、何度もメールを交換しながら相談に応じたケースや、特定の医師や医療機関に紹介したケースもあった。ネットでのこうした相談は、複数回のやり取りをして、相談者の身体状況や置かれている杜会的状況を確認しなければ、個別の状況にあった相談は不可能である。相談に応じたある方は、適切な医療処置を受けることができ、元気に家庭復帰した。情報入手の手段として活用されることの多いインターネットではあるが、数例であっても医療になかなかアクセスできない地域の方にとっては貴重である。
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