研究課題/領域番号 |
12672301
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研究機関 | 愛知県立看護大学 |
研究代表者 |
古田 加代子 愛知県立看護大学, 看護学部, 講師 (00319253)
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研究分担者 |
大須賀 惠子 愛知県立看護大学, 看護学部, 講師 (40315908)
流石 ゆり子 山梨県立看護大学, 看護学部, 助教授 (70279892)
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キーワード | 在宅高齢者 / 身体症状 / 日常生活状況 / 生活体力 / 生活習慣記録機 / 平均歩数 |
研究概要 |
平成12年10〜11月に山梨県I町の2地区で開かれた老人クラブの会合参加者を対象とし、会合当日に、日常生活状況等に関する聞き取り調査と、起居能力、歩行能力、手腕作業能力、身辺作業能力の4項目からなる「生活体力」(財団法人明治生命厚生事業団体力医学研究所が開発)の測定を実施した。また同意を得た参加者には、約1週間生活習慣記録機(スズケン製)を装着してもらい、1日の歩数を含む客観的な活動量を調査した。なお、体力測定の各項目の評価には性別や年齢を考慮した基準(最高5点、最低1点の5段階)を用いた。活動量の指標のひとつである平均歩数の分析には、対象者の年齢を3区分(65〜74歳、75〜79歳、80歳以上)し、それぞれの平均値から年齢を考慮した平均歩数を算出し、それらを基準値として評価した。 調査に協力が得られた対象者は35名(男性10名、女性25名)であった。平均年齢(±標準偏差)は、79.2(±5.63)歳で、男性79.5(±4.96)歳、女性79.0(±5.88)歳であった。 身体の自覚症状と生活体力の関係では、転倒やつまずきがあると答えた者は、そうでない者に比べ、生活体力の全ての項目で得点が低かったが有意な差はなかった。身体の痛みの有無では、痛みのない者が、歩行能力で有意に高く(P<0.01)、その他の項目でも痛みのある者より得点が上回っていた。全般的な体調については、全ての項目で「大変調子がよい者」の平均点が上回り、起居能力、歩行能力で有意差がみられた(いずれもP<0.Ol)。 次に日常生活行動と生活体力の関連を見ると、家の中で過ごすことが多い者はそうでない者に比べ、歩行能力、身辺作業能力で得点が低い傾向がみられた。また、毎日散歩など体を動かす機会を作っている者は、そうでない者に比べ全ての得点で上回り、身辺作業能力に差があった(P<0.05)。 その他、自宅周辺が外出環境として不安有りと答えた者は、全ての項目で得点が低い傾向が見られた。家族構成では、独居もしくは夫婦2人暮らしの者が、3世代同居の者に比べ、全ての項目で得点が高く、歩行能力、身辺作業能力で有意な差がみられた(いずれもP<0.01)。 約1週間連続して生活習慣記録機(スズケン製)を装着してもらい、そのデータから対象者人一人の1日当たり平均歩数を算出し、その値と生活体力との関連を検討した結果、平均歩数が年齢階級ごとの基準値より多い者は、少ない者に比べ、起居能力、歩行能力で得点が高い傾向にあった。
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