研究課題
訪問介護員は在宅ケアを支えるマンパワーとして重要な存在である。看護職が、訪問介護員をどの様に支援していく必要があるのかを明らかにすることを目的に本研究に取り組んだ。平成14年度1市1町が主催した訪問介護員2級養成講座の受講生106名の受講に関する意識調査を実施し72名(回収率94.7%)の回答を得た。全体の調査同様に、受講生は受講後の研修が必要と感じている者は62名(86.1%)を占めていた。平成11〜14年までの4年間で滋賀県下1市3町が主催した訪問介護員2級養成講座の受講生308名を対象に受講時の意識調査を実施し、295名(回収率95.8%)から得た回答をまとめた。その中で、247名(83.7%)が受講後の研修が必要であると認識しており、養成講座だけでは不十分であると考えている現状が理解できた。今年度は、平成13年度の訪問介護員2級養成講座の受講生80名に対して受講後の意識調査を実施した。訪問介護員として勤務している者は10名であり、常勤は3名、非常勤が7名であった。具体的に8名が今後の研修や学びとして必要なこととして、病気に関することを挙げており、その他として、社会制度に関すること、痴呆の方の対応方法がそれぞれ半数ほど占めていた。次に、訪問介護員として活動している受講生に対して聞き取り調査を実施した。その結果、現状の困惑している問題や、現在の活動に際して必要とする知識が何であるのか、さらに訪問介護員2級養成講座のあり方についての具体的な示唆と、講習後の段階的な支援の必要性が理解された。訪問介護員は介護を行う上でも包括的に対象を捉えて援助を行う必要性があり、看護職として支援していくべき内容としては、疾患を踏まえた利用者についての理解を助ける援助が必要である。150時間という短い講習時間で訪問介護員を養成する現状の問題が明らかとなったが、その具体的支援方法においては、引き続き調査研究を進めている。
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