研究課題/領域番号 |
12672310
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
佐藤 洋子 北海道大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (90162502)
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研究分担者 |
森下 節子 北海道大学, 医療技術短期大学部, 教授 (80191021)
良村 貞子 旭川医科大学, 医学部, 教授 (10182817)
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キーワード | 小児 / 視聴覚教材 / オリエンテーション / ビデオ / 歯磨き |
研究概要 |
小児を対象とした保健指導において、視聴覚教材による教育効果が高いことが、我々の昨年度の研究および様々な研究により報告されている。そこで、昨年度の手洗いビデオによる指導に加えて、視聴覚教材を用いた指導を通して、児童は提供される情報をどのように理解し、行動化するのか、またその指導効果はどの程度あるのか、について、歯磨き指導を用いて検討した。 <対象及び方法> 1.対象者:小学校6年生 男児3名 3.実験の流れ:1日目に対象者に現在の歯磨き状況と虫歯の認識についての質問、普段の方法による歯磨き、口腔内細菌数およびOHI-S評価に基づく特定歯(6歯)を観察した。2日目に、作成したビデオを視聴後、1日目同様の歯磨きおよび質問紙による評価を実施した。なお、歯磨きの評価は、1)シグナルキャッチ(口腔内細菌数を色の変化でチェック)および、2)OHI-S(口腔内清掃状態を評価するために、歯垢や外来性沈着物の歯表面における付着範囲によって数量化し、特定歯による部分審査法)を採用し、個人の歯垢点数の合計と被検歯数から個人のDI-Sを算出し、評価した。 <結果> 1.口腔内衛生状態は全体的には変化が見られなかったが、対象者のうち1名は多少の数値の改善があった。2.ビデオ視聴後の歯磨きの仕方に、時間の短縮、歯ブラシ圧の軽減などの変化が認められた。 以上より、視聴覚教材は、抽象的思考への移行期にある高学年の児童に対しては、効果があったが、対象者の興味、集中力の程度によって、その効果には差が見られた。理解したことを継続的な実践に結び付けるために、視聴覚教材(ビデオ)だけでなく、補助的なアプローチの必要性が示唆された。
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