研究課題/領域番号 |
12672334
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
臨床看護学
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研究機関 | 長野県看護大学 |
研究代表者 |
内田 雅代 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (70125938)
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研究分担者 |
平出 礼子 長野県看護大学, 看護学部, 助手 (60347375)
青木 真輝 長野県看護大学, 看護学部, 助手 (50347374)
竹内 幸江 長野県看護大学, 看護学部, 助教授 (00311902)
扇 千晶 長野県看護大学, 看護学部, 助手 (70347376)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | 骨髄移植 / 子どもの内服 / 対処行動 / 観察 / プリパレーション / 看護援助 / 看護師の認識 / 母親の認識 |
研究概要 |
本研究は、1)移植をうける患児が、嘔吐、口内炎、偉怠感などの苦痛を抱えながら、「薬を飲む」場面において、周囲との相互作用の中で、どのように対処行動をとっているかを知る、2)患児の内服に関わる親や看護師が、自分の、あるいは他者の行為や意図をどのようにとらえているかを知ることであり、これらから、患児の経験や対処行動の意味を明らかにし、看護援助の視点を見いだすことを目的とした。 12年度は、文献検討を実施したところ、感染管理の簡略化がすすむ中で、医師や看護師の内服のとらえ方に、さまざまな変化がみられた。そこで、わが国の造血細胞移植をしている施設における内服援助の実際と病棟の方針および看護師個人の考えを知ることを目的に、42施設の看護師126人を対象に調査を実施した。内服援助の実際では、看護師は様々な工夫をしていた。また、内服は絶対不可欠という方針の病棟では、看護師個人の考え方も同様であり、患児にとって過酷も言える状況で内服が強いられている現状もみられた。一方、柔軟な方針の病棟では、患児のストレスは少ないと看護師はとらえていた。 13年度から14年度にかけて、内服場面の観察調査を実施した。対象者の承諾を得て、内服場面のビデオ録画を行うとともに看護師および母親への面接・質問紙調査を実施した。スムーズに内服していると看護師がとらえている子どもの場合にも、母親が細やかに関わることで、子どもの気持ちの準備が整い、内服している実態が確認された。内服困難な場面や薬を捨てていた学童用の子どもに関わった医師は、子どもの気持ちをとらえること、気遣うことの大切さを述べていた。子どもが薬を飲むことをどのようにとらえているかを看護師や母親が理解し関わることが重要であり、内服するための準備や配慮としてのプリパレーションを行うことで、子ども自身の理解を図るとともに、援助者の子ども理解を助けると考えられた。今後、内服に関するプリパレーションのさらなる検討とその効果を検証していきたい。
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